2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560058
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉門 進三 同志社大学, 理工学部, 教授 (00158403)
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Keywords | 焦電性結晶 / X線発生メカニズム / 連続発生 / 結晶沿面放電 / 電荷の蓄積 / 温度変化の周期 / 強度の安定化 / 封入式小型X線発生装置 |
Research Abstract |
LiNbO3やLiTaO3などの焦電性結晶を用いたX線発生法では、そのX線発生の詳しいメカニズムが解明されていなかった。また発生するX線も断続的であり、強度の安定性も悪かった。本研究では、高真空中で、焦電性結晶としてLiTaO3単結晶を用いたX線発生法におけるX線発生のメカニズムの検討、X線強度の不安定性の原因とその改善方法の検討、X線を連続発生させる方法として複数個の結晶を用いた場合の基本的な特性を調べられ、以下の結論が得られた。結晶の加熱中と冷却中でX線発生のメカニズムが異なることが明らかとなった。X線発生の不安定性の原因の1つが結晶沿面放電と関係していることが分かった。沿面放電が起こる原因を検討した結果、結晶表面の電荷の蓄積が考えられた。また、X線強度が各周期間で、周期性をもって変動する現象も、放電が引き起こしていることが明らかとなった。沿面放電の発生頻度が温度変化の周期Lに依存する。結晶表面に蓄積した正電荷に対し二次的に吸着、脱離する電子の存在を仮定したモデルを考案し、沿面放電の発生メカニズム、放電発生後の強度推移、および、Lの値と安定性との関連性に対する説明を与えた。良好な安定性が得られるLのおおよその値の1つを提案した。X線発生を連続化するために、3個以上の結晶を用いた場合X線の連続発生が可能であることおよび6個の結晶を用いたX線発生において、Lの値が小さいとき強度が安定する傾向がある。外部からチャンバー内の金属にX線照射を行いながら結晶の温度を変化させた場合、ある適切な照射強度において外部からのX線がもたらす光電効果により電子が発生し、結晶-ターゲット間に供給されことによりX線発生の高強度化、安定化が同時に達成される。本方式による、封入式の小型X線発生装置を試作し、良好な特性を示すことを明らかにした。研究成果を論文・口頭発表した。
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Research Products
(6 results)