2014 Fiscal Year Research-status Report
固有値問題の高速かつ高品質な精度保証付き数値計算法の研究
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23560066
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮島 信也 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20367072)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 固有値問題 / 精度保証付き数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
理工学においては,現象を理解するために数理モデルが作られ,これらのモデルを解くことによって,未知の現象の予測や新たな工学的製品の設計等が可能となる.これらのモデルは解析的な手法で解くことが困難であるため,計算機を用いた数値計算により解かれることが多い. 計算機を用いた数値計算では,その計算は正確には行われない.四則演算の結果はその都度有限桁に近似され,極限を含む無限演算は全て有限演算に近似される.計算結果から正しい結論を得るためには,計算結果の誤差評価を行って厳密解の存在範囲を確定する必 要がある.これを行う手法が精度保証付き数値計算法であり,従来の数値計算の枠組みでは近似解を求める道具であった計算機を用いて厳密解をも捉えることを可能にする. 平成26年度において,研究代表者は行列に対する一般化固有値問題の精度保証付き数値計算法を確立した.一般化固有値問題は回路の定常解析,化学反応系,画像処理,経済理論,構造解析,主成分分析,振動解析,熱伝導問題,Markov連鎖,量子状態計算等,科学 技術の分野に広く現れる.このような問題に対して,確立した手法は理論的厳密性の伴った解を高速に与える. 研究代表者はこれまでに一般化固有値問題の高速な精度保証付き数値計算法を構築してきた.これらの手法はすべての近似固有値に対して誤差限界を与えるものの,近似固有ベクトルに対しては誤差限界を与えるものではなかった.また,これらは欠陥固有値が存在する場合には適用不可能であった.平成26年度において,これらの点を改善し,近似固有ベクトルに対しても誤差限界を与え,かつ欠陥固有値が存在する場合にも適用可能な手法を確立した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実施状況報告書における「今後の研究の推進方策等」の欄に「固有値問題,特異値問題,一般化最小二乗問題における解の精度保証付き数値計算法を確立する」と記述したが,これが達成されたため.これに加え,上記報告書に記述しなかった鞍点型問題,行列逆平方根,行列最小二乗問題についても精度保証付き数値計算法を確立できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
固有値問題,及び固有値問題に関する知見が応用できる他の数値線形代数学の問題(例えば代数リカッチ方程式)における解の精度保証付き数値計算法を確立する.
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会に参加できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度開催の学会の参加費及び旅費として使用する.
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Research Products
(10 results)