2013 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン貫通電極作成のためのマルチスケールシミュレーションシステムの開発と応用
Project/Area Number |
23560067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 豊 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00169583)
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Keywords | シリコン貫通電極 / 動的モンテカルロ法 / 空孔 / 添加剤 / パルスめっき / 攪拌 |
Research Abstract |
LSIチップを縦に積層する3次元実装は微細化の有力な手段であり、その鍵となるのが積層されたチップ間を接続するシリコン貫通電極(through silicon via, TSV)である。本研究では、独自に開発した動的モンテカルロシミュレーションを電気めっきによる TSV 作成に応用することにより、貫通孔埋込みの最適条件を探索することを目的とした。最終年度は、これまでに開発したプログラムを用いてTSV作成の条件を様々な角度から研究した。特に、添加剤(抑制剤、促進剤、平滑剤)効果、電流波形、攪拌の影響を詳しく調べた。 1.完全充填には、埋め込み初期にV字表面を形成することが最も重要である。その形成には平滑剤による孔側壁の成長抑制と促進剤によるボトクアップが重要であることがわかった。その埋め込み形状は実験結果をよく再現した。 2.逆パルス電流は良好な埋め込みに必要であることはこれまでの研究から示されている。そこで様々な電流波形を用いたシミュレーションを行ない、空孔発生を抑制するメカニズムを調べた。 3.これまでの計算で取り入れられていなかった溶液の攪拌(流体力学的効果)を取り入れたシミュレーションを試みた。その結果、抑制剤が流れの下流側に多く付着しその部分の成長を強く抑制した。攪拌については最初の試みであり、今後の研究が待たれるところである。 上記の研究成果は、実験結果をよく再現するとともに、未知のパラメータ領域の研究にも利用することができる。よって、実験に対して十分予測を与えることができると期待できる。
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