2013 Fiscal Year Annual Research Report
Maxwell方程式の周期多重極法における前処理法と基底関数に関する研究
Project/Area Number |
23560068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 直志 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90127118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 仁 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90359836)
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Keywords | 前処理法 / 基底関数 / 高速多重極法 / Maxwell 方程式 / 周期境界値問題 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究は,Maxwell 方程式のtransmission型の周期境界値問題における高速多重極法を適切な前処理法によって更に高速化することを目的として,使用する基底関数や積分方程式の定式化の見直しを行なった.H23年度は,区分線形四角形要素を用い,誘電体の表面電流,磁流に別々の双対基底を用い,電場,磁場積分方程式をそれぞれ別の双対基底でテストすることで離散化を行った.得られた方程式をGram行列で前処理することによりCalderonの式による前処理効果が得られることを確かめた.しかし,領域に角がある場合には,この方法は精度に問題があることも分かった.H24年度は積分方程式をPMCHWT定式化からMueller定式化に切り替えて,これに伴う良条件化を検討した.まず,Helmholtz方程式の2次元周期transmission問題ではMuellerの方法は何種類か定式化できるが,いずれも通常PMCHWT定式化より少ない反復回数で解への収束を期待できること,しかしMuellerの方法はパラメータの値によっては悪条件化する場合があり,その深刻度はPMCHWT定式化以上であること等が分かった.一方,Maxwell方程式におけるMuellerの定式化は1通りしかないが,この場合もHelmholtzと同様の特性があることが分かった.最終年度はPMCHWT定式化と双対基底の利用によるCalderon型前処理の研究に戻り,RWG基底とBC基底の使用により,Calderonの前処理効果が得られること,この方法は四角形基底より精度が良いこと等を確かめた.最後にフォトニック結晶に関わる周期に乱れのある境界値問題の解法を研究し,TM,TEモードの場合には良好な数値結果を得ることができた.一般の場合への拡張は今後の課題となった.
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