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2011 Fiscal Year Research-status Report

海洋性プランクトンの進化過程を解明するための数値流体力学手法の開発

Research Project

Project/Area Number 23560074
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

吉野 隆  東洋大学, 理工学部, 准教授 (60269496)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords数理プランクトン学 / 数値流体力学 / 宇宙プランクトン
Research Abstract

有限体積法を用いた軸対称2次元流れ場を計算するシステムを構築することができた.これによって,軸対称な形状を持つプランクトンの流れ場を計算することが可能になった.システムを軸対称な形状に特化したのは,そのシステムがうまく機能しているかが確認しやすいためである.さらに,軸対称構造をもつ放散虫骨格の2次元画像を画像処理することで,放散虫骨格の軸対称3次元流れ場を計算することができるようになった.現在は数種について,流れ場解析が終了している.これにより,3次元解析に進む準備ができた.3次元データを用いた流れ場解析の結果の精度が検証できるためである.現在は3次元データの使用に着手している.公表された論文は1編だった.本研究課題の直接的な成果は含まれていないが,準備的に行っていた幾何学的な形態解析手法が盛り込まれており,本研究課題から予想される成果が含まれたものとみなすことができる.さらに,放散虫の研究において幾何学を用いることの重要性が指摘できたという意味でも本研究課題に繋がるものであったと考えられる.3月に国際学会で今年度の成果を発表してきた.放散虫の生態や放散虫を用いた地質学がメインの学会だったので,本研究課題のような数理科学的・数理工学的なアプローチは斬新に感じられたようである.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

申請時に述べた平成23年度の目標は,「数種類の海洋性プランクトンの骨格データを取得する.実際の骨格データを用いたメッシュ生成法および数値計算法が確立される」および,「取得したデータが示す骨格がどのような流体力学的特色を持っているのかが判明する.それがプランクトンの生態とどのように関係しているのかが判明する」である.この文面を100%と考えると,現在の状況は80%程度である.3年計画の目標から見た達成度は30%程度と考えている.ひとつめの目標について:骨格データの取得には成功している.しかし,メッシュ生成法と数値計算法が確立できたのが軸対称形状のみであり,任意の形状ではない.そのため,目標の80%と考えている.現在の状態を任意形状に拡張することは,手続きとしては大きな違いはないので,今年度の初めで速やかに完成させたい.ふたつめの目標について:軸対称な形状を持つ幾つかの骨格についてはその流体力学的な特色が解りつつある.しかし,データの量が少ないために生態との関係までは理解できていない.そのため,こちらも達成度は一年目の目標の80%程度である.いずれの場合も,現在までは致命的な困難に対峙しているわけではないので,今後研究のペースを上げて,2年目は申請時に設定した目標に到達できるようにしたい.

Strategy for Future Research Activity

次年度の主な目標は,平成23年度に検討した数値計算手法を簡単な形状をもつ放散虫骨格に応用して計算結果を得ること,および,複数の放散虫骨格について計算結果を比較することである.既に放散虫骨格の計算結果が揃い始めているので,今後はこれらのデータから骨格デザインの戦略が何なのかを検討する作業を行うことになる.さらに,この結果を公表する準備も行う.データ取得が遅れている放散虫骨格の3次元データについては,研究協力者との打ち合わせを多く行いながら効率良く作業を進めていく予定である.データ取得が遅れている理由のひとつに,どのようなデータが揃えば研究が速やかに遂行されるのかが不明瞭であったことと,そのデータが揃えられるのかどうかについての議論が足りなかったことが挙げられる.このあたりを改善させてゆく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

使用計画はおおむね平成23年度と同様である.3次元データの取得のために,サンプリングやマイクロX線CTによるデータ取得などを行うために旅費を計上している.出張先は,沖縄(琉球大学瀬底実験所),佐渡(新潟大学佐渡臨海実験所),新潟(新潟大学),大阪(摂南大学)を予定している.また,計算結果を出す作業のために研究補助を雇用する.基本的には現有する機器を用いて結果を出すので機器備品等の購入予定はない.論文別刷や校正のための支出についても検討している.

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Exact number of pore frames and their configuration in the Mesozoic radiolarian Pantanellium: An application of X-ray micro-CT and layered manufacturing technology to micropaleontology2012

    • Author(s)
      Atsushi Matsuoka, Takashi Yoshino, Naoko Kishimoto, Naoto Ishida, Toshiyuki Kurihara, Katsunori Kimoto, Shu Matsuura
    • Journal Title

      Marine Micropaleontology

      Volume: 88-89 Pages: 36-40

    • DOI

      j.marmicro.2012.02.005

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Geometrical Models of Skeleton Forms of Spherical Radiolaria2012

    • Author(s)
      Takashi Yoshino
    • Organizer
      InterRad 13
    • Place of Presentation
      カディス(スペイン)
    • Year and Date
      2012年03月26日
  • [Presentation] 中生代放散虫 Pantanellium の骨格構造がもつ多面体幾何学的な特徴2011

    • Author(s)
      吉野隆,松岡篤,栗原敏之,石田直人,岸本直子,木元克典,松浦執
    • Organizer
      第72回形の科学シンポジウム
    • Place of Presentation
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • Year and Date
      2011年12月09日
  • [Presentation] 放散虫の骨格構造と多面体幾何学2011

    • Author(s)
      吉野隆
    • Organizer
      放散虫研究集会(招待講演)
    • Place of Presentation
      愛媛大学(愛媛県)
    • Year and Date
      2011年10月30日
  • [Presentation] 球面上の Vertex Dynamics (その2)2011

    • Author(s)
      吉野隆,松岡篤,栗原敏之,石田直人,岸本直子,木元克典,松浦執
    • Organizer
      第71回形の科学シンポジウム
    • Place of Presentation
      千葉大学(千葉県)
    • Year and Date
      2011年06月17日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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