2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560077
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
臺丸谷 政志 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40002018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 裕行 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80238550)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ボルト締結体 / 被締結鋼板 / 高張力鋼板 / 衝撃破断 / 破断評価基準 |
Research Abstract |
本研究ではボルト締結体の衝撃荷重下における被締結部材の変形強度および破損・破断に関して実験および数値シミュレーションより検討を行い,ボルト被締結鋼板の破損・破断のメカニズムの解明を行って破損・破断の評価基準の確立を目指す. ボルト締結体の使用に関しては,ボルト自体の強度,緩みやトルク管理については膨大な研究がなされているにも拘わらず,自動車の衝突安全設計を行うために重要なサスペンションフレームのボルト締結部位の被締結鋼板側の衝撃破断メカニズムやその強度評価等の研究はほとんど見当たらない.軽量化を図りかつ衝撃強度信頼性の向上も図るために必要とされる自動車の衝突シミュレーションを精度よく行うためには,各構造部材の溶接部のみならずボルト締結鋼板の衝撃破損・破断の正確な評価が重要である. 被締結鋼板の衝撃破断は,ボルト軸に対して垂直に配される被締結鋼板の面内方向に作用する衝撃荷重によって生ずるが,重ねボルト締結機構上および鋼板の変形等の理由によって単純な剪断変形破断ではなく,面外方向への引抜き破断との中間的な複合的破断となっている.本年度は先ずボルト締結体の被締結鋼板の衝撃破断を調べるための力学モデルの検討を行い,面外方向への引抜き破断モデルに関する衝撃破断実験と数値シミュレーションを行った.研究結果は,ボルト締結された被締結鋼板の引抜き破断に関して,応力表示によるエネルギー形式の破断基準の構築の可能性を示した.これらの成果は,日本材料学会誌および日本材料強度学会誌に査読付き論文として各1編,計2編掲載された.また,第10回衝撃問題シンポジウム論文として発表した.さらに2012年9月にドイツで開催される衝撃工学に関する国際会議DYMAT2012で発表予定である(Proceedings paperとして受理済).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該の科学研究費が採択される以前から関連する予備的な研究を進めていたこともあり,交付申請書に記載した研究の目的および研究計画通りにほぼ順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は交付申請書に記載した研究計画・方法通りに順調に進展しており,平成24年度についても研究計画通りに研究を進める予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
衝撃試験装置の改良が当初見積額以下で済んだこと,また試験材料,試験片加工および試験片治具が予備研究で使用したものを一部当てることができため平成23年度の当初使用予定額を下回り繰越額が生じた. 繰越額および次年度以降に請求する研究費を合わせた研究費の使用を次のように計画している.(1)引き続き衝撃実験を行うための試験片製作費および治具加工費(2)データ処理費(3)学会での成果発表の旅費(4)研究成果論文投稿料(5)成果報告書印刷費.
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Research Products
(3 results)