2013 Fiscal Year Annual Research Report
粒界の弾塑性変形を解明に基づくその応力腐食割れにおける決定的な役割
Project/Area Number |
23560078
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呂 戦鵬 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 客員教授 (30419999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 哲雄 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (80091700)
竹田 陽一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40374970)
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Keywords | 環境強度 / 応力腐食割れ / 高温水 / 結晶粒界 / 弾塑性 |
Research Abstract |
供試材となるSUS316Lステンレス鋼および600合金のランダム粒界と低シグマ対応粒界(CSLB)といった粒界の種類、粒界近傍の結晶方位差とその分布、予変形の影響の調査における参照データとした。微視組織中の不一致または不均一性を評価時に見出すとともに、粒界における弾塑性の本質を示す適切なパラメータを選択した。SUS316L鋼と600合金の圧延による予変形、および微視組織観察. ひずみの局在化を、Kernel Average Misorientation(KAM)値または方位差角の分布で評価した。予変形のレベルの影響と同様に、酸素富化水および水素添加水の両方を水化学の影響として検討するための試験を実施した。表面および断面の観察から活性な割れ経路を明らかにした。結晶粒界変形、局所酸化、および応力集中の相互作用を、応力腐食割れ進展試験と、側面および破面からの割れ経路解析を通じた破壊力学試験片、およびその場観察を通じた割れ動力学を通じて検討した。 288℃純水中の182合金溶接金属を対象とし、き裂進展方向をT-SならびにT-Lとした場合のき裂進展速度を溶存酸素並びに溶存水素濃度毎に求めた。供試材においては、高傾角のランダム粒界が主であった。両方向の試験片において得られたき裂はデンドライド境界に沿っていた。T-S方向におけるき裂進展速度はT-L方向に比べて著しく速かった。T-S方向におけるき裂においては、応力負荷方向に対して垂直に進展しているものも観察できた。また、溶存酸素濃度の低下に伴い、き裂進展速度は遅くなった。
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