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2011 Fiscal Year Research-status Report

MEMS構造材料への展開を目指したバルク金属ガラス薄膜の材料探索

Research Project

Project/Area Number 23560095
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

井上 尚三  兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50193587)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsZr基金属ガラス / 薄膜 / スパッタリング / コンビナトリアル
Research Abstract

バルク金属ガラスは高強度、低ヤング率、大弾性変形限界などのユニークな特徴を有し、ガラス転移点以上の温度域での超塑性挙動を利用して3次元構造体を作れる可能性があることからMEMS分野での応用も期待できる。しかし、これまでのバルク金属ガラスの研究では、ナノマイクロ材料を作るという試みはあまりなされてこなかったのが現状である。本研究では、MEMS分野で利用できるZr-Al-TM(TM: 遷移金属)バルク金属ガラス薄膜材料を開発することを目的とし、コンビナトリアルスパッタリング法を用いた組成探索を実施するとともに、将来この材料を実用化するために必要となる単一の合金ターゲットを用いた薄膜作製技術の開発も行っていく。本年度は、Zr-Ni-Al合金薄膜についてコンビナトリアルスパッタリング法によって結晶化温度が最も高い組成の探索を行い、Alが15~35%程度が最適であることを確認した。また、コンビナトリアル法で作製した組成むらを持つ薄膜の機械的性質を評価するために、ナノインデンテーションにより硬さやヤング率などを安定して測定する実験技術の確立に努めてきた。その結果、薄膜の厚さだけでなく基板の厚さも測定結果に大きな影響を与えることを見出した。この知見を基にして、今後の実験を進めていく予定である。並行して実施しているZr-17.5Cu-7.5Ni-10Al合金板を単一のターゲットとした薄膜形成においては、投入電力やスパッタ圧力などの成膜条件の変化に伴うターゲット合金からの組成ずれや内部応力の情報を収集した。その結果、低投入電力で低スパッタガス圧下では、ターゲットに比べてAlとNiが増加、CuとZrが減少する傾向があるが、スパッタガス圧や投入電力の増加にともなってZr組成が増加することが明らかとなった。今後、これらの原因を調査していきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コンビナトリアル法によって作製したZr-Ni-Al合金薄膜の結晶化温度の評価は順調に実施でき、Alが15~35%程度が最適であることを確認した。続いて、作製したZr-Ni-Al合金薄膜ライブラリの機械的性質をナノインデンターによって評価することを計画した。その際、通常の厚さ300μmのSiウェハ基板を用いて押し込み条件を決めようとしたところ、ヤング率が異常に低く計測されることが明らかとなった。この現象は、厚さが1mm程度以上の基板を使うことで回避できることが判明した。この間の試行錯誤に時間を取られたため、コンビナトリアル法によって作製した薄膜の機械的性質の測定に若干の遅れが生じている。一方、単体ターゲットを用いた実験は順調に進んでいるので、総合的に見ると(2)に値すると考えている。

Strategy for Future Research Activity

コンビナトリアル法によって作製したZr-Ni-Al薄膜ライブラリを用いて、ナノインデンテーションによる評価を行っていく。これによって、室温における機械的性質の組成依存性を明らかにしていく。また、最適と考えられる組成を有する合金薄膜を改めて作製し、そのガラス転移挙動や結晶化挙動とともに機械的性質の詳細な評価を実施する。それに加えて、Zr-Cu-Al系合金薄膜に関してもコンビナトリアル法による実験を開始する。また、Zr-17.5Cu-7.5Ni-10Al合金の単一ターゲットを用いて作製した薄膜についても、作製条件とその硬さやヤング率などの機械的性質の関係を明らかにしていくとともに、ガラス転移挙動や結晶化挙動の評価も行っていきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度の研究費については、ガラス転移点以上の温度での変形挙動の評価を行える装置を考案したいと考えており、一部はその製作に当てる予定である。この実験のためには、真空中で500~600℃で一定温度に保った上で荷重をかけることができるような仕様の装置が必要となる。今のところ、荷重のかけ方としてはナノインプリントのような方法を想定しているが、予備的な実験を行って詳細を検討していく予定である。また、ターゲットおよび基板材料、有機溶剤や酸などの試薬などの消耗品の購入に使用して、計画全体の実現を目指す。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] コンビナトリアルスパッタリング法によるZrNiAl金属ガラス薄膜の組成探索2011

    • Author(s)
      清水実結
    • Organizer
      精密工学会2011年度秋季学術講演会
    • Place of Presentation
      金沢大学 角間キャンパス(石川県)
    • Year and Date
      2011年9月21日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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