2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元表面き裂の疲労破壊・応力腐食割れシミュレーションシステムの構築
Project/Area Number |
23560097
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菊池 正紀 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90107540)
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Keywords | 重合メッシュ法 / 疲労き裂 / 貫通き裂 / 複合材料 / 内部き裂 / 応力腐食割れ |
Research Abstract |
1.重合メッシュ法を用いたき裂進展数値解析手法の高機能化 重合メッシュ法の拡張を以下の点で行った。①残留応力・熱ひずみ場への拡張、②複合材料への適用、③応力腐食割れ問題の解析、④内部き裂から表面への貫通問題の解析、⑤Global要素を従来の六面体要素から四面体二次要素へ変更。①から④までにより、幅広い問題へ本手法を適用することが可能となった。また⑤によって全体剛性マトリックスが不安定になることがなくなり、安定した解析を続けることが可能となった。 2.原子力設備維持基準の保守性の確認 本手法を用いることで、現在日本機械学会が定めている原子力設備の維持基準の保守性の確認が可能となった。特に①複数き裂の相互作用の評価、②傾斜き裂の進展評価、③内部亀裂が表面へ貫通して表面き裂として進展する評価法等、④三つ以上のき裂の合体評価、などの点で、基準の保守性を確認した。特に③については日本機械学会基準が保守的すぎるケースが多くあることを指摘し、より適切な基準案を提案した。 3.き裂進展クライテリオンの検討 従来、三次元の複雑なき裂進展解析例がほとんどなかったことから、実験との比較もなく、き裂進展クライテリオンの妥当性は確認されてこなかった。これについて実験との比較を行い、①構造表面近傍のき裂進展評価には塑性誘起き裂開閉口挙動の考慮が不可欠であること、②表面き裂の内部ではモードIIIによる捩り変形によって生じるファクトリルーフがき裂面接触の原因となりき裂進展速度を低下させること、が明らかとなり、それぞれの場合、き裂進展をより精度よく予測できる方法を提案した。 4.まとめと今後の課題 以上により、複雑な三次元き裂の進展評価技術は本研究により大きく進展した。しかしき裂進展速度の予測においては実験と数値解析との一致が充分ではない点もしばしば確認された。この点は今後さらに研究が必要である。
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Research Products
(10 results)