2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高温ガスタービン用遮熱被膜の高温強度に及ぼす熱負荷の影響に関する研究
Project/Area Number |
23560098
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
金子 堅司 東京理科大学, 工学部, 教授 (40016803)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 遮熱被膜 / WC-Co被膜 / はく離基準 / 組合せ応力 / 疲労剥離 / 熱負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
1350~1500℃級ガスタービンの翼などに利用されている超高温遮熱セラミックコーティングは熱負荷や高温酸化による剥離損傷によって,その遮熱機能が失われ,翼の大幅な寿命低下を招く.このような部材の寿命の正確な評価・長寿命化のための検討を精度よく行うため,本研究では高温での酸化や熱負荷の繰り返しを受けた遮熱被膜の剥離強度を正確に評価する新しい剥離強度測定方法を提案し確立すると共に本方法を用いて,遮熱被膜システムの寿命評価規準を明らかにすることを目的としており,ほぼその目的を達成することが出来た. すなわち,本研究では溶射被膜の剥離強度の測定法として規格化されているピンテスト法を改良したねじりピンテスト法を提案し、更に遮熱被膜のような二重構造の被膜の剥離強度評価に適用できるように改善した.これにより,熱負荷を受けた後のはく離強度を正確に測定することに成功した.さらに,界面に生じるせん断応力と垂直応力をそれぞれ正確に制御できる試験方法であり,一般的な複合負荷状態でのはく離強度が定量的に評価できる新しい試験法が確立され,被膜システムの開発研究の進展に寄与することが出来た.これに加えて,対応する応力解析を実施し,はく離発生条件を定量的に把握し定式化出来た.また,WC-Coサーメット被膜についてもはく離発生基準を明らかにすると共に,繰り返し負荷による疲労はく離曲線を採取することにも成功した.
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