2011 Fiscal Year Research-status Report
炭素繊維強化プラスチックの吸水による長期疲労強度の低下機構の解明
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23560102
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中田 政之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00247438)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | CFRP / 耐久性 / 静的強度 / 疲労強度 |
Research Abstract |
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)は,鉄鋼に比べて高強度,高剛性,軽量という優れた機械的特性を有することから,航空機,自動車,船舶などの構造部材としての使用が増加している. CFRPのマトリックスである樹脂の機械的特性は時間や温度によって著しく変化する,いわゆる粘弾性挙動を示す.さらに吸水によってこの粘弾性挙動は大きく変化する.このような特性を有する樹脂をマトリックスとするCFRPの機械的特性も時間や温度のみならず吸水によって著しく変化する.また,CFRPは繊維を強化材としていることから,その機械的特性には著しい異方性がある.したがって,CFRPを実環境下で長期に渡って構造部材として用いる際には,種々の負荷方向における変形や強度の時間および温度依存性に及ぼす吸水の影響を正確に評価する必要がある. 本研究では,一方向CFRP積層板を取り上げ,後熱処理を加えた試験片をDry材,Dry材を吸水させた試験片をWet材として,繊維方向引張および圧縮強度と繊維直角方向引張および圧縮強度に及ぼす温度および吸水の影響について実験的に評価する.また,時間-温度換算則を適用し,長期耐久性に及ぼす温度と吸水の影響を検討した.その結果,一方向CFRPの静的強度は負荷方向によってそれぞれ特徴的な時間,温度および吸水依存性を示すことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のとおり,一方向CFRP積層板のDry材とWet材の繊維方向引張および圧縮の静的強度と繊維直角方向引張および圧縮の静的強度に及ぼす温度および吸水の影響について実験的に評価できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
一方向CFRP積層板のDry材とWet材の繊維方向引張および圧縮の疲労強度と繊維直角方向引張および圧縮の疲労強度に及ぼす温度および吸水の影響について実験的に評価し,平成23年度の成果とあわせて,疲労強度の定式化を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に実施予定であった試験片の成形について,若干のとり残しがあるため,その分の実験消耗品の購入費用を平成24年度へ繰り越した.平成24年度は,若干のとり残しの試験片の成形を行うために,平成24年度へ繰り越した予算を用いて,実験消耗品の購入を行う.また,当初より計画していた平成24年度の予算は,当初より平成24年度に予定している一方向CFRP積層板のDry材とWet材の繊維方向引張および圧縮の疲労強度と繊維直角方向引張および圧縮の疲労強度を求めるための実験消耗品の購入および成果発表のための旅費にあてる.
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Research Products
(1 results)