2013 Fiscal Year Annual Research Report
炭素繊維強化プラスチックの吸水による長期疲労強度の低下機構の解明
Project/Area Number |
23560102
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中田 政之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00247438)
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Keywords | CFRP / 長期耐久性 / 吸水 / 粘弾性 / 時間-温度換算則 |
Research Abstract |
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;以下,CFRPと略称)は,軽量かつ高強度・高剛性であることから,より大型化,高速化,省エネルギ化が要求されている航空機,船舶,車両など,長期にわたって高度の信頼性が要求される構造部材に使われるようになってきた.このようなCFRPは屋外環境で様々な影響を受けながら使用されるが,とくに吸水はその機械的特性に大きな影響を及ぼすため,吸水したCFRPの長期強度低下の評価および機構解明が急務となっている. CFRPのマトリックスである樹脂の機械的特性は時間や温度によって著しく変化する粘弾性挙動を示し,さらに吸水によりこの粘弾性挙動は大きく変化する.したがってCFRPを実環境下において長期にわたり構造部材として用いる際には,強度の時間および温度依存性に及ぼす吸水の影響を正確に評価する必要がある. 申請者は,マトリックス樹脂の粘弾性挙動に成立する時間-温度換算則を基盤としたCFRPの長期耐久性加速試験法(Accelerated Testing Methodology;以下,ATMと略称)を提案している.これにより任意の負荷条件および温度条件における長期寿命を短期間の加速試験により予測することが可能となる. 本申請の研究では,炭素繊維の強化方向を1つの方向にそろえた一方向CFRP積層板を取り上げ,熱処理を加えて乾燥させたDry材とDry材を吸水させたWet材の繊維方向引張および圧縮強度と繊維直角方向引張および圧縮強度に及ぼす温度および吸水の影響について実験的に評価を行い,ATMを適用し長期耐久性評価を行った.そして,マトリックス樹脂の粘弾性と破壊機構の観点から吸水したCFRPの長期にわたる強度低下について解明した.
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