2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノーメゾーマクロ強度解析による高温疲労材の損傷機構の解明
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23560110
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
長島 伸夫 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (30354252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 正夫 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50354254)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
当該年度は、高クロムフェライト系耐熱鋼(12Cr-2W)の焼もどしマルテンサイト組織に対して、高温低サイクル疲労損傷の評価を試みた。電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、組織解析を実施すると共に、マイクロビッカース硬度試験機、微小硬度試験機、ナノインデンテーションを組み合わせて、ナノ―メゾーマクロ強度解析を実施した。その結果、高温疲労損傷に伴い、サブグレインが粗大化すると共に、旧オーステナイト(γ)粒界上の析出物が粗大・高密度化することが明らかになった。旧オーステナイト粒界近傍のサブグレインの粗大化が顕著であり、サブグレインや粒界析出物の組織因子を定量評価することにより、粒界近傍の粗大サブグレインの強度解析に焦点を当てたナノーメゾーマクロ強度解析の技術基盤を構築できた。継続して、材料組織における硬度分布の不均一性の評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐熱鋼及び耐熱合金としては、高クロムフェライト系耐熱鋼のような焼もどしマルテンサイト鋼、SUS316のようなオーステナイト鋼、さらにはアロイ617のようなニッケル合金と多種多様であるが、ナノ―メゾ―マクロ強度解析により求められる硬度を統一指標として用いることによって、高温低サイクル疲労損傷の評価パラメータとして利用できる可能性を検討している。 当該年度までに、高温疲労損傷に伴う組織変化を定量的に評価できる手法について検討できた。さらに、硬度分布の不均一性と組織変化を関連付ける目途を立てることができた。したがって、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
硬度分布の不均一性と組織因子の関連付けを継続して実施する。さらには、フェライト系耐熱鋼に加え、ニッケル基合金アロイ617(Ni-22Cr-12Co-9Mo)の高温低サイクル疲労損傷材に対して、組織解析を実施し、高温疲労に伴う組織変化の定量化を試みる。合わせて、ナノ―メゾ―マクロ強度解析の準備を進める。 これまでに得られた試験データ及び解析結果を積極的に国内外の学会に発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験片加工,解析装置の消耗品などの購入. 日本機械学会年会費,日本材料学会年会費, 学会発表などの旅費.
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Research Products
(4 results)