2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゴム切削における切りくず分離過程のインプロセス観察を基にした加工誤差のモデル化
Project/Area Number |
23560111
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺本 孝司 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40252605)
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Keywords | 柔軟弾性体 / 切削加工 / 動的モデル / パラメータ同定 |
Research Abstract |
本研究では,柔軟弾性体の小ロット加工に利用可能な切削加工モデルの系統的な構築に関する研究を行った.具体的には,まず,単純形状に対する切削実験を実施して,切削力,工作物変位,加工誤差の計測を行う.これらの計測結果から,切削力モデル,工作物変形モデル,加工誤差モデルの同定を行う.そして,同定したモデルを用いて,複雑形状工作物に対する加工の事前予測を行うことで,多様な工作物に対して高精度加工を実現するというものである. これまでの2年間の研究で,高速度カメラによる画像計測と計測画像に対する特徴点追従技術を併用することにより,単純形状工作物の切削加工中における工作物変形のインプロセス計測が可能となった.さらに,工作物変形と切削力の計測結果を用いて,工作物変形モデルで必要となる物理パラメータを応答曲面法により推定することが可能となった. 最終年度においては,切削力と工作物変形の同期計測ができるよう実験装置の改良を行った.同期計測を行うことにより,工作物変形モデルの推定において,切削力の突発的な変動といった外乱要因の影響を排除することが可能となった.さらに,曲面加工のように時々刻々と切り込み量が変化する切削状況においても対応する切削力と工作物変形の計測が可能となった.また,切削力モデルの推定においては,工具切れ刃を微小領域に分割して,個々の微小領域に作用する切削力を傾斜切削理論で推定する切削力モデルに対して,異なる送り速度での切削力測定結果をもとにしたパラメータ同定手法を実装した.同定したパラメータを用いた切削力モデルは,パラメータ同定に用いた条件とは異なる切り込み深さや切り込み幅での加工においても良好な推定結果を示すことを確認した. これまでの研究により,予備切削実験をもとにしたモデル同定と利用の枠組みの提案と,切削力モデルおよび工作物変形モデルの同定方法を確立することができた.
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