2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属ろう材でダイヤモンドを固定したマイクロソーワイヤによるハイブリッド加工
Project/Area Number |
23560113
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
神谷 修 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60113891)
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Keywords | ダイヤモンドソーワイヤ / 固定砥粒 / 金属ろう材 / ハイブリッド加工 / 超音波 / ジェット水流 / ダイヤモンド形状 |
Research Abstract |
本研究者が開発した固定砥粒型のダイヤモンドソーワイヤ用いて切断加工する際に、パルスジェット流、超音波および放電を付加したときの効果を明らかにするとともに、ソーワイヤの改良を試みた。即ち、第2のパラメータを与えてハイブリッド加工すること、およびソーワイヤ自身の改良により、切削性能を向上させることが本研究の目的である。切断試料としては超硬を用い、ワイヤの太さは100μmでありダイヤモンド砥粒の直径は約10μmである。基本的な切断加工条件は、張力4Nで試料への押し付け圧力を1.35Nとしている。この状態でワイヤを1000m走行させると、10mm厚さの超硬を約1.5mm切断加工することが出来る。初めに、パルスジェット流を付加したが、切断速度に関してはほとんどプラスの効果は見られなかった。一方で、超音波を付加することで加工性能を改善できる事が確認された。超音波は、試料に対して切断加工する正面に振動子を固定して発生する。クーラントやワイヤに超音波を付与しても効果はない。試料に加える超音波出力は1Wとし周波数2.3MHで照射したところ、切断速度は約30%程度速くなった。その理由は、超音波による切屑の排除効果と試料表面振動による砥粒の切り込みが増加したためと考えられた。また、放電加工との相乗効果を試みたが金属ろう材が直ちに溶けて砥粒が脱落してしまい加工ができなかった。さらに、本研究からダイヤモンド砥粒のサイズと形状を変化させることにより加工速度を大きく改善できる事がわかった。ダイヤモンド砥粒の大きさを30μmとすることにより、切断速度は約5倍とすることができた。また、ダイヤモンド形状は、14面体形状の自然な形よりも砕いたクラッシュ材の方が切断効率は優れていた。以上のことから、切断効率を上げるには、ダイヤモンド砥粒のサイズを大きくして形状はクラッシュ材として、超音波を相乗させることが最も効果的であることが解った。
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Research Products
(5 results)