2011 Fiscal Year Research-status Report
力覚による援用を利用した工作機械操作インタフェイスの開発
Project/Area Number |
23560117
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森重 功一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90303015)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 工作機械 / 生産工学 / 力覚呈示装置 / インタフェイス / 5軸制御加工 / CAD/CAM |
Research Abstract |
本研究は、工作機械の新しいマンマシン・インタフェイスとして、バーチャルリアリティの分野で利用されている力覚呈示装置の利用した機能の開発を目指している。 初年度となる平成23年度は、これまでに開発してきたシステムを工作機械に接続し、力覚呈示装置と工作機械を連動させるうえで考慮すべき課題について検討する予定であったが、リーマン・ショックや震災の影響により、NC装置や工作機械を借用させていただく予定であった工作機械メーカとの共同研究が中止となってしまった。そのため、現存の設備でできる課題として、平成24年度以降に予定していたものに取り組むこととした。○立体視機能の追加と切削音の呈示:3Dディスプレイ上に加工状況を視差ができるように描画することで、仮想空間内の工具と被切削物の位置関係を作業者に正確に伝える機能を実装した。また、加工時に発生する音の有用性に着目し、仮想的な切削音を呈示することで、切削量や切り込み量といった加工状況を表現する機能を実装した。○シミュレーションによるデータの検証:出力された信号をNCプログラムに変換し、NCプログラムに基づいて工作機械の動きを再現することができるシミュレーションを利用して、力覚呈示装置の操作によって工作機械がどのように動作するか確認した。同時に、実際の運用を想定しながら、改良あるいは追加しなければならない機能について検討を重ねた。また、作業者に対してアンケートを実施し、数値的に現れない評価項目についても検討した。○旋削加工用インタフェイス: フライス系の工作機械だけでなく、旋削加工に対する力覚援用の可能性についても検討を始めた。既存の力覚呈示装置を流用してはいるが、基本的なプログラムを実装し、出力されたデータを利用して、CNC旋盤で実際に加工することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リーマン・ショックや震災の影響により、テーマについて共同研究を進めていた工作機械メーカとの研究が中止となり、NC装置や工作機械などが借用できなくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で開発した力覚呈示装置および計算機周辺の機能を、実際に5軸制御工作機械に結合して、最終目標である力覚提示装置と工作機械が連動する自由度の高い工作機械操作インタフェイスを実現するためには、NC装置や工作機械を借用させてもらえる企業を検討しなければならない。企業との連携を模索しながら,作業支援機能の充実や、旋削加工用インタフェイスの拡充を進める予定である。旋削加工用インタフェイスについては、国内のソフトウェアベンダと協力して、プログラムの開発を加速したいと考えている。 例えば、工具経路生成の作業を補助するために有効と思われる機能がいくつか考えられる。本システムは人手によるHDの動きを工作機械の動きに反映させるものであるため、手ぶれなどにより工具の動きがばらつくと工作機械の動きも不連続になり、面性状などの加工結果に悪影響を及ぼす恐れがある。同時5軸制御など複雑な工具の動きが必要な加工の場合は、ばらついた工具の動きを滑らかに補正して最適な動作に変換する機能が必要になると考えられる。これらの機能の実装について検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品費:本年度の予算で導入した開発環境を利用して独自開発したソフトウェアの有効性について検証するために、実際に加工実験を行う必要がある。そのためにCNCフライス盤などの小型工作機械を、数種類導入する予定である。消耗品:定常的に必要となる、電子部品、計算機関係消耗品、切削工具、加工実験用ワックス材,立体造形機用消耗品以外に,STL形式のCADデータの取り込みや一般的な図形処理をするために、CADソフトウェアのライセンスを次年度に導入する。 旅費等:国内旅費は、国内で開催される各学会での成果発表のためである。その他:関係する研究者が集まって議論する際の会議費や、研究成果を発表するための投稿料に用いる。
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