2011 Fiscal Year Research-status Report
フッ素化剤-シリコン界面反応によるシリコン表面の精密位置合わせ光転写形状創成加工
Project/Area Number |
23560123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
打越 純一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90273581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 瑞穂 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50157905)
川合 健太郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90514464)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フッ素化剤 / N-フルオロピリジニウム塩 / シリコン / エッチング / フォトエッチング / 創成加工 / 光転写 / 修正加工 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シンクロトロン放射光用ミラーなどに用いられる単結晶シリコンミラーの形状創成加工を、フッ素化剤による光エッチング加工と、近赤外光干渉法を用いた光計測を組み合わせることで、極めて高い形状精度で行うことにある。シリコン表面にフッ素化剤を均一に塗布し、プロジェクターでパターンを投影することで光強度および照射時間に依存した光転写加工を行うことができる。この形状をシリコンに対して透明な波長1310nmの近赤外干渉計で測定し、測定結果に基づき高精度位置合わせをして形状修正加工を行うとともに、加工速度の温度依存性やシリコンの伝導型による影響なども調べ、フッ素化剤-シリコン界面反応過程の解明を行おうとしている。 フッ素化剤薄膜を塗布したシリコンにプロジェクターからの光を照射し、シリコン表面の電子を励起してフッ素化剤へ移動させ、シリコンとフッ素の化学反応を促進させて光転写加工を行った。 フッ素化剤を剥離し、位相シフト干渉顕微鏡を用いて加工形状の観察を行った。設計製作した近赤外干渉計を用いてシリコン平面の絶対形状測定を行った。 恒温プレートを用いてシリコンとフッ素化剤の温度を制御し、加工速度の温度依存性、光強度依存性およびプロジェクターのRGB明度依存性、照射時間依存性、シリコンの伝導型依存性、光波長依存性、フッ素化剤膜厚依存性を調べた。 RGB明度を基にパソコンで作製した像を縮小投影する光学系を設計製作した。パソコンでパワーポイントなどのソフトウエアを用いてプロジェクターからの照射光が任意の強度分布を持つパターンを作製し、1回の光照射で、深さ一定の平面や、三角形、円筒など任意断面の2次元形状、球面などの3次元形状創成加工の行った。 プロジェクターで縮小投影光転写加工した1~数ピクセルの大きさのマークを観察して精密位置合わせを行うための側方視顕微鏡を設計製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加工深さを制御するために、シリコンとフッ素化剤の温度を制御し、加工速度の温度依存性、光強度依存性およびRGB明度依存性、シリコンの伝導型依存性、光波長依存性、フッ素化剤膜厚依存性を調べた。 RGB明度の加工速度依存性を基に、パソコンでパワーポイントなどのソフトウエアを用いて任意の強度分布を持つパターンを作製し、プロジェクターと設計製作した縮小光学系で投影することで、1回の光照射で、深さ一定の平面や、三角形、円筒など任意断面の2次元形状、球面などの3次元形状の創成加工をすることができた。 作製した直径2.5mm、深さ35nmの球面の形状精度はPV値4nm、RMS値0.85nmであった。加工時間は1時間で、中心の光強度は330mW/cm2である。キセノンランプを用いた光強度依存性の実験において3w/cm2の光強度にすることで30分で300nmのエッチング深さが可能であり、さらに短時間での加工を行うためには高輝度のプロジェクターを使用することが必要である。 創成した3次元形状を測定するための近赤外干渉計を設計製作した。 プロジェクターで縮小投影で光転写加工した1~数ピクセルの大きさのマークを観察して精密位置合わせを行うための側方視顕微鏡を設計製作した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして形状修正加工を行う。フッ素化剤を塗布したシリコン表面にプロジェクターで任意の強度分布のパターンを投影照射し、近赤外干渉計を用いたシリコンの3 次元加工形状測定データに基づき、目標形状との差をキャンセルする修正加工を行うことで形状創成加工の高精度化を図る。 形状修正加工を行うためには1回目の加工で塗布したフッ素化剤を有機溶剤で剥離した後に再洗浄を行う必要がある。シリコン表面に残存するフッ素化剤のX線光電子分光(XPS)測定を行うとともに、残存したフッ素化剤を除去し、超清浄洗浄を行うプロセスを開発する。 光転写シリコン加工表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や、原子間力顕微鏡(AFM)で観察しマイクロラフネスを調べる。 加工速度の温度依存性、光強度依存性、時間依存性、シリコンの伝導型依存性、光波長依存性、フッ素化剤膜厚依存性などを調べ、フッ素化剤-シリコン界面反応過程の解明を行う。 シリコン表面に塗布したフッ素化剤は界面反応により分子中のフッ素が消費されるので加工速度は時間とともに低下すると考えられる。フッ素化剤をシリコン表面上で流すことで常に新しいフッ素化剤を供給し、加工速度を一定に保つとともに、加工速度の局所的な変動を抑えてマイクロラフネスの低減を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。 次年度の研究費は、高輝度DLPプロジェクター、薬品類、光学部品の購入、旅費に使用する。
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[Presentation] Cu assisted etching of Si with N-fluoropyridinium salt2011
Author(s)
Kentaro Tsukamoto, Junichi Uchikosh, Masaki Otani, Takabumi Nagai, Kenji Adachi,Kentaro Kawai, Kenta Arima and Mizuho Morita
Organizer
Extended Abstracts of Fourth International Symposium on Atomically Controlled Fabrication Technology
Place of Presentation
Osaka, Japan
Year and Date
October 10, 2011
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