2013 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンナノ微粒子を用いた超精密加工技術に関する研究
Project/Area Number |
23560129
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 恵友 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50585156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 景一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (80380723)
カチョーンルンルアン パナート 九州工業大学, 先端金型センター, 助教 (60404092)
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Keywords | 超精密加工 |
Research Abstract |
本研究の目的はフラーレンC60の高い化学反応性や分子自体の高硬度な性質を利用し,分子レベルのナノスケール高効率平坦化技術を確立することである. そのため研究実施内容としてはサファイア基板に水酸化フラーレンをシリカスラリーに混合させたとき(以後,混合スラリーと記載)のポリシング効率の向上や水酸化フラーレンにおける水酸基数の影響,さらに紫外線性照射によるポリシング効率の向上に関して評価した.その結果,水酸化フラーレンがポリシング効率の向上に有効であることを確認した.ここではDLSやラマン分光でポリシング前後の混合スラリー中における微粒子について評価したところ水酸化フラーレンがシリカ表面に分子2層程度吸着していることやポリシング前後で変化しないことも確認した.具体的には以下の内容である.混合スラリーに関してはC60(OH)n n=ca.10で水酸化フラーレンの濃度依存性やpH依存性,ポリシング前のサファイア基板の表面粗さの影響についてる評価した.ここでは濃度のが支配的であり,濃度が高くなるにつれポリシング効率向上する結果が得られた.さらに水酸化フラーレンの向上効果はサファイア基板の表面粗さに関する影響する.水酸化基数に関しては水酸化基数12と36の2種類の水酸化フラーレンで混合スラリーを作製し評価を実施した.その結果水酸化基数12が最もポリシング効率が高い結果が得られた.現在も引き続き12が高い理由について検証を行っているが水酸基数の増加にともないフラーレン骨格自体の硬度が低下するためサファイアなどの高硬度な基板に対しては硬いケージ構造が有効ではないかと推測される.最後に混合スラリーに紫外線照射を実施したところ混合スラリーよりポリシング効率の向上効果が確認された.ここではコロイダルシリカ微粒子上に吸着した水酸化フラーレンが光により異なった炭素相へと反応したためと思われる.
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