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2011 Fiscal Year Research-status Report

プラスチック射出成形におけるバリ発生評価金型の開発

Research Project

Project/Area Number 23560133
Research InstitutionNippon Institute of Technology

Principal Investigator

村田 泰彦  日本工業大学, 工学部, 教授 (00200303)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsプラスチック / 射出成形 / 金型 / 計測 / 成形不良 / バリ
Research Abstract

プラスチック射出成形における成形不良の一つであるバリは、一旦発生すると、除去するための後加工が必要となるために、生産効率の低下を招き、また、金型の破損や消耗を引き起こすために深刻な問題となっている。  本研究では、バリの発生しやすさが定量的に評価できるバリ発生評価金型を開発し、本金型を用いて、様々な種類の樹脂や成形条件下においてバリ発生状況の評価を行うことで、バリが発生しない最適成形条件の探索や、さらに、金型の設計、樹脂の開発を行うための指針を得ることを目的としている。 平成23年度は、まず、金型内に可動ブロックを設置し、油圧シリンダを用いてこのブロックを微少量駆動させることで、成形工程中に、キャビティ末端部に数十から数百μmの隙間を生成させることができるバリ発生評価金型の設計および製作を実施した。本金型では、型締完了と同時に、可動側金型の後部に設置した油圧シリンダを作動させ、プランジャを突出させることで可動ブロックを金型分割面に押し付けて隙間を閉じる。その後、保圧工程中の任意のタイミングにおいてプランジャを後退させると、固定側金型に設置したバネの弾性力により、可動ブロックが押し戻されキャビティ末端部に隙間が生成する機構となっている。さらに、バリ発生は、キャビティ内の樹脂圧力の影響を受けることから、本金型では、キャビティ内に水晶圧電式樹脂圧力センサを設置し、樹脂圧力をモニターできる構造となっている。 設計・製作した金型を用いて、ポリスチレンとポリプロピレンのバリ発生の評価を実施した。その結果、成形品の固化層を押し出す、あるいは、突き破って発生する二次バリは、ある一定量の隙間が生成されないと発生しないこと、また、ポリプロピレンの方が、ポリスチレンよりも二次バリが発生しやすいことなどを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成23年度は、バリ発生の原因となる金型分割面の隙間を、成形工程中の任意のタイミングにおいて、所定の量だけ意図的に生成させることが可能で、かつ、金型キャビティ内における樹脂の圧力状態を計測可能な、バリ発生評価金型の設計と製作を行うこと、そして、設計・製作した本金型を実際に試運転することで、本金型が予定通りに動作するかどうかを確認することまでを、当初の目標に掲げていた。これらの目標は、達成することができた。また、平成23年度は、それに加えてさらに、平成24年度に実施を計画していたポリプロピレンとポリスチレンにおいて射出率、保持圧力などの成形条件を変化させた場合の、隙間への樹脂の流入状況を明らかにするなど、当初の計画以上に進展した。 しかしその一方で、本金型では、金型内に設置した変位センサの耐熱温度や、可動ブロックの駆動機構の制約から、金型温度70℃以上、樹脂圧力80MPa以上の成形条件においては、使用が困難であることが明らかとなった。そのため、平成24年度以降に計画しているナイロンやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックにおけるバリ発生の評価に本金型を適用する場合には、さらに、高温・高圧条件下で使用できる、変位センサへの交換と金型構造への改良が必要であることが明らかとなった。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度に設計・製作したバリ評価金型では、変位センサの耐熱温度や可動ブロックの駆動機構の制約から、金型温度70℃以上、樹脂圧力80MPa以上の成形条件において使用が困難であることが明らかとなった。そこで、今後は、ナイロンやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックにおけるバリ発生の評価に本金型を適用するために、さらに高温・高圧条件下で使用できる変位センサの交換、ならにび、可動ブロックの駆動機構の改造を行う予定である。そして、改造が完了したら、生産現場においてバリの発生が問題となっているポリアミド、ポリカーボネートなどにおいて、隙間量や成形条件をそれぞれ変化させながら成形実験を行い、成形品末端部に生じるバリの長さや厚さなどのバリ発生形態の計測と顕微鏡観察、ならびに、キャビティ内における樹脂圧力の計測を実施する。得られた計測データに基づき、隙間量および樹脂粘度、キャビティ内樹脂圧力・温度状態とバリの長さや厚さとの相関関係を検討する。また、各種樹脂において、バリの発生しない最適成形条件の検討を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費は、まず、高温・高圧条件下で使用するための金型改造費および各種金型部品費、金型温度150℃までの成形条件下で使用できる200℃までの耐熱性を有する渦電流式変位センサとアンプの購入費、また、成形実験に用いるナイロンやポリカーボネートなどの各種成形材料の購入費として使用する。さらに、学会発表のための参加費ならびに出張旅費にもあてる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 射出成形におけるバリ発生計測2011

    • Author(s)
      菱田智大、小松拓哉、村田泰彦、新田和男、齊藤一男、菊森一洋
    • Organizer
      型技術協会、型技術ワークショップ in 岐阜
    • Place of Presentation
      じゅろくプラザ(岐阜県)
    • Year and Date
      2011年11月21日
  • [Presentation] 射出成形におけるバリ発生評価金型の開発2011

    • Author(s)
      菱田智大、楠 崇秀、吉田高平、所 寛、村田泰彦
    • Organizer
      プラスチック成形加工学会、成形加工シンポジア’11
    • Place of Presentation
      秋田大学(秋田県)
    • Year and Date
      2011年10月15日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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