2013 Fiscal Year Annual Research Report
創生した高じん性軽合金(SS-ECAP材)による超薄肉角型筺体成形プロセスの研究
Project/Area Number |
23560142
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 達也 同志社大学, 理工学部, 教授 (70434678)
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Keywords | 軽合金材料の加工性向上 / 薄肉筐体加工性向上 / 加工法による金属組織制御 / 生産性向上 |
Research Abstract |
過去の研究では,半凝固鋳造のAC4CH合金(以下,SS材),さらにECAP加工を施したSS-ECAP材と通常のAC4CH合金(以下,F材)が円筒容器形状で押出し時間が1/10秒から1/100秒ときわめて短いインパクト成形によって比較された.その結果,鋳造材であるAC4CH合金が半凝固(Semi-Solid)+強せん断(ECAP)加工を施すことにより引張強度および伸びが最も向上した.また,Liイオン電池筐体に使用されているA3000系のアルミニウム合金との比較でも,4回のECAP加工を施したSS材(以下,SS-ECAP-4材)の方が高強度であった. 本年度は高強度でかつ伸び特性も向上した通称SS-ECAP材の加工性を評価するため,角型筐体のインパクト成形にトライした.インパクト成形の通常肉厚は0.7mm程度が限界とされている.そこで,今回は特に成形困難な縦横比1:10の角型でかつ肉厚が0.5mmと0.4mmの超薄肉形状とした.その結果,SS-ECAP-4材は,角型筐体形状においても十分な塑性流動性が保持され,また伸びも十分に確保できた結果,F材やSS材で発生した塑性流動によって生じる引張変形による縦割れや強度不足による横割れが発生せず,0.5mm,0.4mmのいずれにおいても成形可能であった.また,成形品から切り出された引張り試験片による機械的特性の評価では,通常のA3000系以上の高品質であることが確認された. AC4CH合金以外のアルミ合金(5000系,6000系,7000系)をSS-ECAP材としてその加工性を検討した結果,まだまだ十分なサンプルを得ていないが(理由は,半凝固材の作成時にバルク材内部に多数の気泡あり),加工性の向上は確認できた.
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