2011 Fiscal Year Research-status Report
アルミニウムナノインプリント法によるダイヤモンドエミッタの開発
Project/Area Number |
23560144
|
Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
清原 修二 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (40299326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 一平 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (10511735)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | ナノインプリント / ダイヤモンド / モールド / 酸素イオン / 電子ビームリソグラフィ |
Research Abstract |
アルミニウムの最適蒸着条件の検討・・・酸素イオンシャワー加工のマスクとなるAlをSi基板上に50~500 nmの膜厚で真空蒸着し, AFMで表面粗さを測定した。膜厚100 nmまでは平均表面粗さ4 nm以下であり蒸着前のSi基板と同程度の粗さであるが膜厚300 nm付近になると粗さが目立ち,逆に膜厚400 nm付近からは平滑化した。Alのエッチング耐性と作製するダイヤモンドエミッタの高さを考慮すれば,最適な膜厚は表面粗れの少ない100 nm以下の範囲と考えられる。アルミニウム膜の酸素イオンシャワーエッチング耐性・・・Si基板にアルミニウム膜を100 nm蒸着し,その試料の半分をマスクして,イオンエネルギー100,200,300,400,500 eVで加工を行った。その結果,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)に対して,ポリシロキサンの約6倍の30倍の選択比を得ることができ,高いエッチング耐性があることがわかった。卓上型ステッピングモータ駆動インプリントシステムの開発・・・軟金属のアルミニウムにもインプリントが可能と思われる,ステッピングモータを駆動力としたコンパクトインプリントシステムの開発を行った。また,圧力インジケータの出力値からインプリント圧力を制御することにより,インプリント圧力を一定に保持することが可能である全自動インプリントシステムを開発した。アルミニウムの最適インプリント条件の検討・・・ダイレクトナノインプリント法を用いてアルミニウム膜上に最大圧力(1.3 MPa)で直径3 µmの円柱モールドのパターンをインプリントしたが,転写できなかった。そこで,アルミニウム膜を蒸着した基板を160℃に加熱し,軟化させてからインプリントを行った。熱プロセスを加えた場合,パターンの転写が確認され,約60 nmのインプリント深さが得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルミニウムの最適蒸着条件の検討およびアルミニウム膜の酸素イオンシャワーエッチング耐性については,目標通りに成果が得られている。 卓上型ステッピングモータ駆動インプリントシステムの試作において,インプリント圧力をインジケータからパソコンに取り込むことで信号をコントローラに信号を送り圧力を一定にするプログラムをMicrosoft Visual C++ により作成した。圧力値をタイマーと同期させ,0.01秒間隔で取り込むようにしているが,情報量,処理量が増えるため,タイマーが遅れてしまい,同期している圧力値は、インジケータに表示されている値と操作画面上に表示されている値にタイムラグが生じている。そのため,目標とする圧力での制御が困難となっており,プログラムの改良が必要となっている。 アルミニウムの最適インプリント条件の検討において,ダイレクトナノインプリント法を試みたが,室温でAlにインプリントすることができないことがわかった。そこで,加熱せずに室温で行える新たなプロセスを開発し,これを用いてフラットパネルディスプレイ用ダイヤモンドエミッタの作製を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
新たなダイヤモンドのナノ加工プロセスとして,室温硬化 (Room-temperature Curing:RTC) -NIL-リフトオフ法を提案した。Alは酸素イオンシャワーに対するエッチング耐性が大きく,極めて高い選択比 (ダイヤモンドとAlの加工速度の比) を得ることができた。そこで,本研究ではRTC-NIL-リフトオフ法によるAlマスクパターンの形成を行い,ダイヤモンドナノエミッタの開発を行う。 RTC-NIL-リフトオフ法によるダイヤモンドナノエミッタの作製プロセスを以下に示す。室温で徐々に硬化するポリシロキサン [HSG-R7-13,日立化成工業 (株)] を基板上に滴下しスピンコートを行い,インプリントを行う。ダイヤモンドモールドには,本研究で開発した高さ500 nmで直径が5 µmの円柱ドットパターンを用いる。その後Alを真空蒸着し,アセトンでポリシロキサンを取り除いた後,Alマスクパターンを金属顕微鏡 [DM2500M,(株) ライカマイクロシステムズ] で観察する。高さ100 nmの直径5 μmの円柱Alドットマスクパターンが得られ,この試料をECR酸素イオンシャワー装置 [EIS-200ER,(株) エリオニクス] で加工を行い,ダイヤモンドナノエミッタを作製する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たなインプリント材料であるPDMSの硬度を測定するためのスタンドおよびダイヤモンド薄膜とガラス状炭素を購入する。また、旅費の大半は2012 MRS Fall Meetingで発表するために使用することを計画している。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
[Presentation] Patterning of Tetrahedral Amorphous-Carbon Film by Electron Beam Lithography and Pick Up from Si-Wafer in Focused Ion Beam System2012
Author(s)
H. Tanoue, T. Kashiwagi, H. Okuda, Y. Suda, H. Takikawa, M. Kamiya, S. Kiyohara, T. Kawashima, T. Shibata, Y. Taguchi, Y. Sugiyama, Y. Omata, M. Taki, Y. Hasegawa, N. Tsuji and T. Ishikawa
Organizer
4th International Symposium on Advanced Plasma Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials
Place of Presentation
Chubu University
Year and Date
2012.03.4-8
-
-
-
-
-
-
-