2013 Fiscal Year Research-status Report
ボールエンドミルによる硬脆材料の切削加工に関する研究
Project/Area Number |
23560145
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
大野 威徳 九州産業大学, 工学部, 講師 (70509083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 教授 (20199855)
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Keywords | ガラス切削 / 脆性破壊 / 切れ刃稜線形状 / ノーズ曲率半径 / ボールエンドミル切削 |
Research Abstract |
・単結晶ダイヤモンド製円バイトの切れ刃稜線粗さがガラス切削における脆性破壊に及ぼす影響について切削試験により検証した。ノーズ曲率半径R0(平バイト)、0.025および0.05の円バイト切れ刃稜線上に三角波状の粗さ形状を振幅および周期を変化させながら集束イオンビーム加工機(FIB)により生成し、バイトの曲率半径および粗さ形状の形状特性が脆性破壊に及ぼす影響について観察した。その結果、1.脆性破壊の進展方向と規模が三角波形状の配置(個数)および形状特性(振幅および周期)により変化する、2.しかし、バイトのノーズ曲率半径には影響を受けないことが明らかになった。 ・ボールエンドミル切削によるガラス切削において切れ刃稜線粗さが脆性破壊に及ぼす影響について切削試験により検証した。工具傾斜角45度、軸方向切込み20ミクロンの条件で溝切削をすることを前提として、ノーズ曲率半径R0.5の単結晶ダイヤモンド製ボールエンドミルの切れ刃稜線上に三角波状の粗さ形状を加工位置を変化させながらFIBにより生成し、粗さ形状の形状特性および一刃送りなどの切削条件が脆性破壊に及ぼす影響について観察した。その結果、1.粗さ形状を切れ刃の実切削領域のうち材料除去のみに寄与し仕上げ面生成に影響を与えない領域に加工した場合、加工により生成される仕上げ面には稜線粗さによる脆性破壊の影響は確認されないこと、2.しかし、仕上げ面生成に寄与する領域に粗さ形状を加工した場合は脆性破壊の影響が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅延の理由: ダイヤモンド工具の納入時期の大幅な遅延による。 経緯: ・年度当初(4月)に研究計画の修正により工具購入計画の見直しを行った。当初はボールエンドミルの購入し9月末までの切削試験の終了を予定していたが、国際会議などで聞かれた意見を参考にバイト切削による基礎実験(切れ刃稜線の曲率半径などによる影響)について再検討した。その結果、追加で円バイトおよび平バイトを購入することに決め、6月初めに業者(製造メーカ)に見積もりの依頼を行ったが前年度に購入した見積金額のほぼ倍の額を提示され、(可能な限り加工条件を統一するために)7月下旬までに価格交渉を行った。しかしながら、先方から"納得が行く"解答を引き出すことができず、スケジュールを考慮し購入業者を変更し8月上旬に発注、納期のため9月下旬に納入が行われた。ボールエンドミル切削も含めて夏季休業中に集中して試験を実施し9月末までに実験データを収集する予定でいたが、試験のタイミングが10月にずれ込み業務の関係で試験実施が大幅に遅れてしまった。 ・4月末日現在、予定していた形削り切削試験をすべて終了し、ボールエンドミル切削については予定の50%程度まで試験が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
・切削試験: 5月末にはボールエンドミルによる試験(粗さ形状、傾斜角の変更)を終了し、AFM・FIBによる被削材の表面・断面観察を7月中旬までに終了させる予定でいる。 ・試験データの解析を8月末までに行い、10月中旬までに報告書の原案をまとめる。 ・作成した報告書原案に基づき、学術雑誌への投稿論文(ICOMM、NAMRCなどの学術会議も含む)を作成する。投稿に対する意見を参考に論文の再検討を行い、指定された期日までに報告書を提出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
工具の購入先を変更し、幾分価格が抑えられたためと考えられる。 九州大学の実験機器利用料で消化する予定。
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