2012 Fiscal Year Research-status Report
微細・複雑射出成形金型の可視化及び金型材料が関わる高分子分解ガス化抑制技術の開発
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23560146
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Research Institution | Gunma Prefectural Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
福島 祥夫 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 研究員 (70310232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 広樹 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 研究員 (10553480)
茂木 幸伸 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 研究員 (20552558)
小松 秀和 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 研究員 (20469886)
鈴木 崇 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 研究員 (40196837)
瀧上 昭治 群馬大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70143203)
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Keywords | 射出成形 / 分解ガス / ガス焼け不良 / ガス収集 / 可視化 |
Research Abstract |
自動車の航続距離を伸ばすことは次世代自動車にとって重要な目的である。そのため、軽量化技術は多くの注目を集めいている。具体的には、金属部品のプラスチック部品への変更を行い、車体総重量の軽量化の取り組みが盛んに行われるようになっている。本研究ではプラスチック部品に求められているより微細でより複雑な形状ということに対してプラスチック材料から発生するガスに注目をし研究を進めている。併せて金型の可視化という側面からも研究を行い、微細・複雑成形の高度化を目指している。その結果として、微細・複雑形状部の可視化と挙動分析技術の確立、高分子分解ガス化の機構解析と抑制技術の確立等で対応しようとしている。 昨年度にプラスチックが分解ガス化する際の挙動について、金型等金属の触媒作用によりガス化が促進する傾向をつかんだが、今年度は、これを発展させ挙動に関する理論的裏付けを行い学会発表を行った。つまり、ガス焼け時にはいくつかの化学反応が深く関与していることなど、理論的考察を行い、査読論文への投稿を推薦された。さらに、実成形時の発生ガスをモニタリングする手法についての発表も行った。同時に、ガス焼けセンサー等の開発にも展開しガス収集装置、ガス焼けセンサーに関する特許申請を行った。一方、金型内の可視化については多角的な方向から観察できる可視化金型を作成し実験を進めており今後発表を予定している。H25年度は最終年であるため、ガスに関する事、可視化に関する事のまとめを行い、学会発表や査読論文の執筆を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の成果という側面では、分解ガス収集と分析に関する研究分野において、査読論文の執筆準備や特許申請、雑誌掲載を行い、おおむね満足する結果となった。これをもとに現在原著論文を投稿し査読中である。具体的にはガス焼けが発生した時と発生しない時のガス成分から、ガス発生にはいくつかの化学反応が密接にかかわることを理論的に示したことを主張した論文である。また、特許申請はガスのモニタリング装置に関する基本的な事項をまとめたものである。さらに、雑誌「型技術」においてガス収集に関する記事の執筆を依頼され掲載となった。 一方、微細・複雑形状の可視化に関する研究分野において、多角的な可視化を可能とするクロビットと呼ばれる方式を可視化金型に適用した。これまでの可視化は一方向からの観察であるが、本提案によって多角的な面からの可視化が可能となり、微細成形に有効な知見を示すことができると考えている。現時点では実験が不足しているため、H25年度実験を行う予定である。更に、本研究の内容について積極的な学会発表を行う方向であり、プラスチック成形加工学会をはじめとした学会での発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までは発生ガスの挙動や成分を把握するためにのガスの収集や分析に注力する方針をとった。今年度は発生ガスのモニタリングや可視化金型製作に注力し、微細・曲面というキーワードに沿って射出成形可視化金型の詳細設計と製作に関する技術の高度化を積極的に進めていく方針である。まず、CAE解析によって事前に流動解析を行い、金型を製作に反映する。その後成形実験を行い、樹脂の流動挙動等を検討する。本報告書作成時点では基本となる金型は完成しているため、これらを変更・改造することでより高度な可視化技術にも挑戦したい。同時に、ガス分析についても昨年度の知見を参考に、モニタリング技術に関する技術を高度化する予定である。主なガス成分は二酸化炭素、メタン、水素等であるがこれらのセンシングについて実用的なモニタリングが可能か否か検討する予定である。更にはガスの抑制技術についても検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究経費の主たる部分は可視化金型の変更・改造費に費やす予定である。可視化実験の回数も多くなると考えられるため、樹脂材料等での支出も予定している。また、ガス焼けの抑制技術という側面から抑制技術の開発に関する部品や材料にも支出予定である。 また、学会等での意見交換からプラスチックの種類を増やしてほしいとの意見が多いため、材料費や収集に利用する収集バックや配管等の消耗品にも支出する。
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Research Products
(4 results)