2012 Fiscal Year Research-status Report
点群データによる曲面形状の類似度評価と靴型活用への応用
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23560151
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福井 幸男 筑波大学, システム情報系, 教授 (80311596)
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Keywords | 形状比較 / 形状特徴量 / 設計支援システム |
Research Abstract |
23年度から25年度までの全体計画は以下の通りである。先ず、(1)既存の靴型を再利用するために靴型の形状データから形状特徴線群を抽出する部分、(2)足形状データからそれに適合する靴型の形状特徴線群を抽出する部分、(3)靴型と足形状からの形状特徴量を比較し、適合性を指標化して数値化する部分である。23年度は最初の項目(1)について研究を進めた。24年度は(2),(3)のそれぞれの一部を行った。 先ず、かがみ式設計手法に基づいて製作された靴型の形状を、3次元スキャナーで点群として取り込んで座標系を設定し、設計手順に従って必要な各種の寸法や断面形状を抽出する作業をコンピュータ内で行うためのプログラムの開発を行った。先ず靴型の長手方向、垂直断面となる基準面の位置、方向を主成分分析によって決定し、その断面内で靴型の輪郭線上に、設計上の基本点群となる点群を配置するための計算式を実装した。さらに、その点をとおり基線軸方向を、基準面内に設定すると共に、足首位置から足底方向に投影した水平面内でも基線軸方向を決定した。基本点群を通り2つの基線軸方向を含む靴型の特徴となる断面(特徴断面)の2次元形状を抽出し、その輪郭線から周囲長や甲高等の設計情報を抽出するプログラムを開発した。 一つの靴型に対して、複数の靴型特徴断面があるため、これらの断面形状から得られる設計情報を要素とした特徴ベクトルを生成した。一方、複数の靴型間で、特徴断面の輪郭形状の形の差を立体的に取り出して、その帯状の形状の面積から類似度を算出するアルゴリズムを開発した。また、さらに実際の手作業による設計時に重視する足幅部の周囲長を取り込んだ複数靴型間での類似度評価手法を開発した。これら3つの手法の比較検討を行い、大きな差異はなく、いずれの手法でも類似した結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
靴型形状の点群データから形状比較する手法を別のアプローチから複数種類開発し、いずれの手法でも傾向は類似の結果となった。これらの違いは、製作者が形状の差異をどの部分でウェイト付けして評価するかの違いに対応するものと考えており、ほぼ計画どおりと進展と見なせる。また、比較だけにとどまらず、靴型設計情報から靴型を決定する過程について、当初計画には含まれていないが、今後検討していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
靴型の設計情報から靴型の類似度を求める手法を3通り実装し、評価検討したがそれぞれが靴型の別個の特徴を重視した手法と言えることがわかり、差はあっても問題ないと考える。そこでさらにその先を考えると、新規靴型製作の場合の精密な曲面形状を生成する必要があるので、この曲面生成に関して、さらに文献調査を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
既存靴型形状の比較手法が提案できたので、その関連事項として新規靴型を設計するための手順を検討する。そのためには、グラフィックス性能を重視したコンピュータの導入や、学会参加費、旅費、実験後のデータ処理時の謝金などを予定している。
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Research Products
(1 results)