2012 Fiscal Year Research-status Report
摩擦を利用したナノ位置決めと接触部ナノ観察に関する研究
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23560152
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
川口 尊久 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60234043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑沢 鉄三 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30114169)
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Keywords | 位置決め / 摩擦 / ナノスケール / 微小変位特性 / 固体表面 |
Research Abstract |
本研究では,摩擦面の微小変位特性を用いて駆動することによりナノメータオーダの精密位置決めが可能であることを示すことを目的としている. 本駆動方式の位置決めにおいては,摩擦面を用いることから,その材質,表面粗さ,材質の組合せ,荷重などの特性が重要であるため,真実接触部の同定ともあわせて種々の条件で実験を行うことで,その変位特性を明らかにする.そのため,平成24年度には実験装置に高荷重での実験が行えるように改良を加え,基礎テータを得るための実験を行った.平成25年度は摩擦材の組み合わせをセラミックスどうしの場合についての変位特性の検討を行った. 実験は,荷重を金属(黄銅)で行った実験条件の荷重の約10倍の10.6Nにし,真実接触面積が大きくなるようにした.その結果,繰り返し接線力(振幅)と接線力オフセット量を加えた値が最大接線力を超える量(超過量)を変化させることで,1サイクルごとに数nm~数十nmの微小な大きさで位置決めができることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画の中での進捗状況としては次のとおりである. (1)試料の製作:セラミックス試料のジルコニア(ZrO2)に加えて,窒化ケイ素(Si3N4)と炭化ケイ素(SiC)を作製した. (2)接触部の測定:本年度はセラミックスではなく鋼球とガラス平面での接触に置き換えて実験を行った. (3)変位特性の同定と微小送りの実験的検討1:本年度の実験で主に用いた試料と仕上げ方法は,粗い面としてジルコニアを,所要の粗さ(Rz,Ra)になるように徐々に大きくなるように仕上げ,今回は主に2μmRz(0.3μmRa)の等方性摩擦面に仕上げた.また滑らかな平面試料のジルコニア,窒化ケイ素,炭化ケイ素は,表面粗さが0.07μmRz以下の滑らかな面に仕上げた.まず,巨視的すべりを起こさない範囲の最大接線力f0は2.2~3.6Nとなった.次に,実験条件の決定f0を基準として,繰返し接線力(振幅) f1をf0×7/8 Nにし,さらに繰返し接線力に加えるシフト量Δf設定することでf1 +Δf = f0 + fe の関係となるようにした.なお,ここでfeを超過量と定義しその値がf0の0.01~0.1の値になるようにを変化させて実験を行った.なお,振動数は1Hzで行なった.以上の条件で種々のサイクル変位特性を測定した.その結果,1回の繰り返しで生じる微小変位Δδは,0.4~30nmとなる結果が得られた. 以上のことより,概ね計画の通りに進捗していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を基にして,試料の種類や装置の改良などを行なうことにより,微小変位特性を利用したナノオーダ送り機構が十分活用可能であるかどうかについて検討する.また,変位特性を真実接触部の測定とあわせて検討を行う. (1)試料製作:試料としてセラミック試料(ZrO2,Si3N4, SiC)を用い,ジルコニアの粗い面の粗さの大きさを変化させるとともに,窒化ケイ素についても粗さ面として実験を行う. (2)接触部の測定については,スパッタ薄膜を用いて測定する方法を用いて観察することを予定している. (3)変位特性の同定と微小送りの実験的検討:これまでの実験結果を基にして,変位特性の測定を行う.特に「 fの接線力オフセット量」,「繰り返し周波数」,「試料材質と表面粗さ」の変化に対する影響を重点的に検討する. (4)研究成果のとりまとめを行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでに得られた結果を基にして,平成25年度は実験装置の改良に必要な製作費と実験で必要な消耗品の購入を予定している.また,実験状況に応じて試料の製作も行うことを検討している. また,研究成果の発表等にも使用することを予定している.
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Research Products
(1 results)