2013 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦を利用したナノ位置決めと接触部ナノ観察に関する研究
Project/Area Number |
23560152
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
川口 尊久 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60234043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑沢 鉄三 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30114169)
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Keywords | 位置決め / 摩擦 / ナノスケール / 微小変位特性 / 固体表面 / 真実接触面積 |
Research Abstract |
本研究では,摩擦面の微小変位特性を用いて駆動することによりナノメータオーダの精密位置決めが可能であることを示すことを目的としている. 本駆動方式の位置決めにおいては,摩擦面を用いることから,その材質,表面粗さ,材質の組合せ,荷重などの特性が重要であるため,真実接触部の同定ともあわせて種々の条件で実験を行うことで,その変位特性を明らかにする.そのため,平成24年度には実験装置に高荷重での実験が行えるように改良を加え,基礎テータを得るための実験を行った.平成25年度は摩擦材の組み合わせをセラミックスどうしの場合についての変位特性の検討を行った.平成25年度は摩擦材の組み合わせを黄銅とセラミックスで摩擦面の粗さを変えて変位特性の検討を行った. 実験は,荷重を10.6N,摩擦面の粗さを1~13μmRz,振動数1~5Hzとした.さらに,繰り返し接線力(振幅)と接線力オフセット量を加えた値が最大接線力を超える接線力の大きさである超過量を最大接線力の0.001~0.1の割合で変化させた.その結果,次のようなことがわかった.①1サイクルごとに約1~300nmの範囲で移動できた.②超過量が小さくなるほど1サイクルごとの移動量が小さくなった.③周波数が大きい方が1サイクルごとの移動量が小さくなった.このことより,微小変位を利用することで,目標分解能1nmをもつナノ精密送り機構の実現の可能性が得られた.
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Research Products
(4 results)