2011 Fiscal Year Research-status Report
自動車の走行安全性を高めるタイヤ接地面の摩擦状態測定用触覚センサの開発
Project/Area Number |
23560158
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
立矢 宏 金沢大学, 機械工学系, 教授 (10216989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 祐介 東京工業大学, 情報理工学研究科, 准教授 (70432135)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 触覚センサ / 摩擦係数 / タイヤ / 自動車 / 走行安全性 |
Research Abstract |
正方形上の弾性平板をベースとし,その中心にウィスカと呼ぶ弾性棒を取り付け,ウィスカ先端に作用する鉛直および水平荷重によってベースに生ずるひずみから,それぞれの荷重の大きさを測定可能なセンサを提案した.ベースやウィスカの材質,寸法,また,ひずみを測定するひずみゲージの貼付位置などを決定するために有限要素解析を実施し,センサの設計を行うとともに,センサ単体での実験を行い,荷重値を求める式を導き,同式を用いて,ウィスカ先端に作用する鉛直荷重と水平荷重に相当する摩擦力が精度よく同時に測定可能であることを確認した. 同結果に基づき製作したセンサを,空気を充填したタイヤ内へ装着し,ひずみゲージからの出力線を取り出して,センサの出力を測定可能とした.センサを取り付けたタイヤを簡易的なタイヤ回転実験装置に取り付けて出力を測定し,耐久性,測定の再現性などを考慮して,センサの構造を決定した.同センサによって,表面状態を種々変化させた接地面に回転接触した時の鉛直荷重,摩擦力を測定し,摩擦係数を求めた.その結果,製作したセンサは,摩擦係数が0.1から1.0の範囲において,0.1程度の分解能での測定が可能であることを確認できた. 以上において提案したセンサで測定可能な摩擦力はタイヤ回転周方向のみである.車の走行時には旋回時など任意方向に摩擦力が作用する.そこで,以上のセンサのベース上のひずみ検知位置を増やすことによって,任意方向の摩擦力が測定可能なセンサの構造を提案した.また,同センサの有効性を確認するとともに,実際の車走行時の状態を模擬するために,高荷重が発生可能であり,さらに,任意方向への摩擦力を負荷可能な装置として,2自由度のパラレルメカニズムを用いた実験装置を提案した.同装置に関して構造解析等を行い,設計を行うとともに,モータの選定,詳細な寸法の決定等を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった,鉛直荷重と一方向の摩擦力が同時に測定可能なセンサを設計・製作するとともに,目的とする摩擦係数の測定が可能であることを確認できた.また,任意方向の摩擦力を測定するためのセンサ構造の提案が行えたとともに,実際の走行状況を模擬可能な実験装置を設計することができ,次年度以降の研究の礎を構築できた.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,提案した任意方向の摩擦力が測定可能なセンサに関して,有限要素法による解析およびセンサ単体を用いた実験より,センサの材質,寸法などを決定し,同センサのベースに生ずるひずみから,鉛直荷重の大きさ,摩擦力の大きさと方向を求める実験式を確立する.次に,実際の走行状況を模擬可能なパラレルメカニズムを用いたタイヤ回転実験装置を前年度の設計結果に基づき製作して,その制御系を構築する.さらに,同実験装置に装着して荷重を測定するフォースプレートを設計し,装置に装着するとともに,基本的な測定実験を行い,装置の動作を確認するとともに提案するセンサ,実験式の妥当性を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以上の研究を実施するにあたり,センサ,タイヤ回転実験装置,制御系,フォースプレートを製作するための各種機械要素,電子部品等を購入する.また,実験装置の制御と測定のためのパーソナルコンピュータ,波形記録装置等を購入する.
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Research Products
(2 results)