2013 Fiscal Year Annual Research Report
自動車の走行安全性を高めるタイヤ接地面の摩擦状態測定用触覚センサの開発
Project/Area Number |
23560158
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
立矢 宏 金沢大学, 機械工学系, 教授 (10216989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 祐介 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70432135)
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Keywords | 触覚センサ / インテリジェントタイヤ / 摩擦係数 / 走行安全性 / 走行模擬装置 |
Research Abstract |
本課題では,ウィスカと呼ぶ剛体棒をベースとする弾性板に片持ちばりとして取り付け,ベースに生ずるひずみから,ウィスカの先端に作用した鉛直荷重,水平荷重と,その方向を測定できるセンサを開発し,同センサをタイヤに取り付けることで,接地面の摩擦係数が測定可能になることを示した. ベースには3枚のひずみゲージを貼付し,それぞれで測定するひずみは,ウィスカ先端に作用する鉛直荷重に対して比例し,また,摩擦力に対しては,作用方向に対して正弦波形状に変化し,その振幅は摩擦力の大きさに比例することを示した.また,これらの関係を校正実験で正弦関数として定式化した.さらに,3枚のひずみゲージの検知結果を以上の式に代入し解くことで,ウィスカ先端に作用する鉛直荷重,水平荷重と,その方向が求められることを示した.得られた水平荷重を鉛直荷重で除すれば,ウィスカ先端が接触している面の摩擦係数を得ることができる.実際にセンサ単体で,複数の面をなぞり,摩擦係数が測定可能であることを確認した. 以上のセンサをタイヤに取り付け,接地面の摩擦係数を測定する方法を検討した.走行状態を模擬するため,タイヤに任意方向の高負荷を与えられる2自由度パラレルメカニズムを用いた実験装置を製作した.同装置の出力部に3軸方向の負荷が測定可能なフォースプレートを設置し,タイヤを回転させながら接触させてフォースプレートを回転軸方向に移動させ,接触面に鉛直荷重および任意方向の摩擦力を発生させるとともに,それらの値を測定した. 複数の面に対して実験を行った結果,タイヤの変形が測定値に影響することを見いだし,その影響を,鉛直荷重,摩擦力と,その方向を変数として定式化した.同式を用いた補正を導入した結果,摩擦係数が約0.3から1.2の範囲において,0.2程度の分解能で測定が行え,開発したセンサは高荷重下においても精度良く測定が可能であることを確認した.
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Research Products
(3 results)