2012 Fiscal Year Research-status Report
新型打撃高圧装置の開発と動的圧縮下における潤滑油の高圧レオロジー評価
Project/Area Number |
23560160
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中村 裕一 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20164345)
|
Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 物性実験 / 潤滑油 / 高圧力 |
Research Abstract |
研究目的はダイヤモンドアンビルセル型高圧発生装置(DAC)と打撃圧縮法を組み合わせたこれまでにない打撃高圧装置を開発して,転がり軸受などでミリ秒オーダーの瞬間的動的に圧縮,せん断される潤滑油の固化圧力,ガラス固化後のせん断応力など動的高圧レオロジーを機械要素で必要十分な3GPaまで評価することである.2年目本年度の研究実績を「研究実施計画」に照らし,以下にまとめる.①打撃装置の円筒パイプガイドを透明アクリル在室に変更し,落下高さを100から300mmまで変えて,圧力を1.7GPaから3.5GPaまで広範囲に実験できた.圧力室にはりん青銅ガスケット,レオロジー評価用微小球はアルミ球と強度の高い銅球を用い,準静的実験と同様,限界せん断応力に近い値を評価できた.②基本的なグリースおよび最近のグリースで広範囲に実験した結果,固化後のトラクション係数の目安は,トラクショングリースでは動的圧縮下で準静的値と同程度,転がり軸受用グリース,宇宙用グリース、合成炭化水素基油グリースなど通常のグリースでは若干低くなることが新たに確認できた.さらに広範囲に実験するため,先行してイオン液体などの準静的実験を行った.③宇宙用グリース基油や次世代潤滑剤と期待されるイオン液体の高圧粘度を測定した.④打撃専用DAC装置を新たに考案,製作し,基油で容易に実験できることを確認し,得られた基油のトラクション係数の目安は,トラクション油,転がり軸受油ともに,銅球,アルミ球ともグリースのものより若干小さい値となった.最高圧力は2.5GPa程度と低かった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の主な目標は,実験計画を立て,標準的な油,新開発油,試作油で3GPaまでの広範囲に実験を行い,また新たに実施計画に加えた打撃専用DAC装置を新たに考案,製作,実験を行うことであり,研究実績の概要からおおむね順調に進展していると言える.しかしながら実験が十分広範囲とは言えない.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り平成25年度は平成24年度で不十分な実験を行いつつ,データを蓄積,整理して,前回の科研費の準静的データと比較,文献との比較を行い,潤滑油の高圧レオロジー特性の圧縮時間依存性評価,モデル化および総括を行う.実験,データ処理において大学院生が研究協力者であるが,衝撃実験は土田悠生氏,準静的実験は湯川嵩士氏,黄瀬慧氏,高圧粘度測定は鈴木史明氏の役割分担である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費,旅費,人件費・謝金,その他の配分は当初の計画より学会発表旅費を増やす予定である.必要に応じ代表者,研究協力者が学会にて成果を発表して専門家の助言を得る.
|
Research Products
(11 results)