2013 Fiscal Year Annual Research Report
新型打撃高圧装置の開発と動的圧縮下における潤滑油の高圧レオロジー評価
Project/Area Number |
23560160
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中村 裕一 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20164345)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 物性実験 / 潤滑油 / 高圧力 |
Research Abstract |
研究目的はダイヤモンドアンビルセル型高圧発生装置(DAC)と打撃圧縮法を組み合わせたこれまでにない打撃高圧装置を開発して,転がり軸受などでミリ秒オーダーの瞬間的動的に圧縮,せん断される潤滑油の固化圧力,ガラス固化後のせん断応力など動的高圧レオロジーを機械要素で必要十分な3GPaまで評価することである.3年目本年度(最終年度)の研究実績を「研究実施計画」に照らし,以下にまとめる.①平均直径の圧力変化から得た固化圧力はいずれの試料油においても準静的の値とほぼ一致し,固化圧力時間依存性はない.潤滑油の動的圧縮固化圧力が低下し,圧縮率は準静的なものより小さくなるとの予想と異なった.②動的圧縮下で固化後のトラクション係数の目安は,変形球のひずみ,応力の偏差成分から得られた.ほとんどの油で準静的値および文献の摩擦特性より若干低いが概してほぼ同程度となった,①で固化圧力は差がないため粘度圧力係数にも差がなく油膜厚さも同じとなり,摩耗特性も同程度と推察される.ある種のウレアグリースで文献の摩擦特性と同じ傾向となった.③物理的理論的に圧縮時間依存挙動は粘弾性モデルで緩和時間τ(=η/G,η:粘度,G:横弾性係数)=1程度で固化すると考えられ, G≒10E9Pa, η≒10E7Pasを代入してτ=10E-2秒となり,観測された動的圧縮時間の10E-4秒では準静的加圧より低い固化圧力と予想されたが,準静的と同じであった.したがって,変形球の相当ひずみおよび平均直径の増加は準静的の値に比べ半分以下であったが,潤滑油のレオロジー・力学特性面からの動的高圧固化摩擦特性はほぼ準静的のもので近似できると総括できる.
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