2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560161
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
宮近 幸逸 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 隆夫 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60127446)
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Keywords | はすば歯車 / 歯元応力 / 曲げ疲労強度 / 薄肉構造 / 機械要素 / 熱処理 / 残留応力 / 小形・軽量化 |
Research Abstract |
本年度においては,ねじれ角β=10と20°の薄肉対称,非対称ウェブ構造はすば歯車対に対して,静的負荷かみ合い試験を行って,かみ合いの進行にともなう歯元応力の変化を測定し,最悪かみ合い位置を明らかにするとともに曲げ疲労試験を行って,歯元応力と曲げ疲労強度に及ぼすリム・ウェブ厚さの影響について検討を加えた.その結果,以下の点が明らかになった.(1) 薄肉ウェブ構造はすば歯車(駆動歯車)の場合には,リム部の変形が大きくなるため,かみ合い始めよりも前から,かみ合い始め側の歯幅端から歯幅中央の広い範囲にわたって応力が生じるが,反対側の歯幅端の歯元にはほとんど生じない.また,両歯幅端のリム厚さが薄いため,一体(厚肉)歯車の場合に比べて両歯幅端の応力がかなり大きくなる.(2) 本研究で用いたような歯車の最大歯元応力が発生するかみ合い位置(最悪かみ合い位置)は,ピッチ点かみ合い位置から少し戻った(約1~2°の回転角)かみ合い位置になる.(3) 非対称ウェブ構造はすば歯車のウェブ側(鋭角側,歯面と側面のなす角が鋭角になる) の歯幅端の最大歯元応σc max.(A. side)は, 反ウェブ側(鈍角側)の歯幅端の最大歯元応力σc max.(Ob. side)よりも大きく,σc max.(A. side)は,リム厚さlw, ウェブ厚さbwの減少とともに増大するのに対し, σc max.(Ob. side)は,逆に減少する.(4) lw = 2mn(mn : 歯直角モジュール), bw/b = 0.25の場合にはσc max./(σc max.)solidは,対称ウェブでは1.08,非対称ウェブでは1.27,lw = 1.5mn, bw/b = 0.25の場合には,対称ウェブでは1.37, 非対称ウェブでは1.96とかなり大きくなるので,歯の曲げ強度設計において注意を要する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薄肉対称・非対称ウェブ構造はすば歯車のねじれ角10度と20度の場合については,歯元応力に及ぼすリム・ウェブ厚さの影響が明らかになった.ねじれ角30度の場合についても試験歯車の準備ができ測定を進めているが,かみ合い位置の確認に配慮が足りず,歯あたり調整がねじれ角によって工夫が必要であることにきがつくのにてこずった.歯元応力測定における歯あたり調整に勘所が得られたので,予定通りの日程に追いつけるものと思う.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては,薄肉対称・非対称ウェブ構造はすば歯車の歯元応力測定を継続して行うとともに,曲げ疲労試験を実施し,下記の研究項目について検討を加える. (1)薄肉ウェブ構造はすば歯車の歯元応力に及ぼすリム・ウェブ厚さおよびウェブ構造の影響に関する研究 (2)薄肉ウェブ構造はすば歯車の曲げ疲労強度に及ぼすリム・ウェブ厚さおよびウェブ構造の影響に関する研究 (3)薄肉ウェブ構造はすば歯車の歯元応力に及ぼすねじれ角の影響に関する研究 (4)構造ウェブ構造はすば歯車の曲げ疲労強度に及ぼすねじれ角の影響に関する研究 (5)薄肉ウェブ構造はすば歯車の曲げ強度設計法の確立 (6)環境対応型省エネルギー変速機用(複雑構造)薄肉はすば歯車の曲げ強度設計法の確立
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は最終年度のため,米国ASME国際会議(PTG:Power Transmisson and Gear,ポートランド)およびミュンヘンで開催されるInternational Conference on Gearsにおいて発表を予定し,いすれもアクセプトの回答を得,発表の準備を進めている. また,実験に用いる消耗品などの購入,研究成果の掲載費用などに使用する. 平成24年度に使用予定の消耗品は一部購入しているが,研究成果が予定していたものから少し遅れた.このため,消耗品の購入を一部平成25年度に回し,また成果公表の経費も平成25年度の成果報告に回すことにした. 平成25年度の成果発表については,上述のように考えている.消耗品は,ひずみゲージ,試験歯車の製作および圧力油の購入を予定している.
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Research Products
(3 results)