2012 Fiscal Year Research-status Report
回転円すいの外表面を上昇する液膜流の生成メカニズムと微粒化
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23560185
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
足立 高弘 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60344769)
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Keywords | atomization |
Research Abstract |
平成24年度は、回転円すいの外表面に生じる薄い液膜流の液膜厚さと水に浸した円すいを回転させるのに必要な消費動力の測定を行なった。 回転円すいの外表面の膜厚測定を行うために、業者からレーザーによる高精度なレーザー変位計のデモ機を借りて実験を行なった。このレーザー変位計は、高い精度で膜厚を測定できる反面、円すいが高速回転するために装置全体に振動が生じ、その振動の変位を変位計が測定してしまうため、ノイズの影響が大きくうまくいかなたかった。もちろん、装置には振動を抑えるためにベアリングを使用したり、振動を吸収する工夫を施したがうまく機能しなかった。そこで、測定精度を少し落した超音波センサーによって膜厚を測定することを試みた。このセンサーはレーザーより精度は落るが、振動の影響が低減できた。現在も測定を実施中である。 また、液膜を揚水するのに必要となる消費動力の測定をトルクセンサーを用いて行なった。 液膜の生成や微粒化に必要となる力のバランスなどの考察を行うために、トルクを測定することが重要となる。こちらについても、現在測定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
回転円すいの外表面を薄い液膜流が上昇するメカニズムを明らかにするため、回転円すいの外表面における膜厚測定で、業者にレーザーによるデモ機を借りて予備的な実験を行ったが、回転円すいの振動によるノイズの影響が大きく、測定がうまく行かなった。ノイズのご影響を低減させるために、超音波センサーに計測に切り変えることとなったため、進捗が遅れる結果となった。このことにより、研究の推進方策で予定していた、ミストの粒径分布の測定に進むことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、超音波センサーを用いた膜厚測定実験から開始する予定である。円すいのブレや振動を抑える工夫はすでに施してあるので、回転円すいの回転数、テストセクションへの供給流量を変更しながら膜厚の測定を行い、それらの間の相関を明らかにする。 また、微粒化によりミストを生成するのに必要となる、液膜を揚水するのにかかる消費動力の測定をトルクセンサーを用いて同時に行なっていく。これは、液膜の生成や微粒化に必要となる力のバランスなどの考察を行うために必要であり、トルクを測定することで、水から円すいが受ける摩擦力の大きさが明らかになる。さらに、円すいに加わる圧力をフレキシフォースボタンセンサーを用いて測定する予定である。これらの測定により、液膜に加わる力のバランスを明らかにする予定である。 一方で、液膜流が微粒化した後のミストの粒径分布を調べる必要がある。当初の申請では、この測定をレーザー光源を利用した市販のレーザー回折散乱式粒子径測定装置を用いて調べる予定でいたが、この装置はかなり高額であり購入は困難なためレンタルすることを検討している。そして、レンタルの前に予備実験として、液滴が表面に付くと瞬時に斑点状に着色する特殊なコーティングがされた精密な紙である感水紙を用いた測定を行う予定でいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
回転円すいに加わる圧力の測定に用いるフレキシフォースボタンセンサーの購入費用およびレーザー回折散乱式粒子径測定装置のレンタル費用が主なものである。その他に、平成25年は最終年度にあたるため成果発表として論文の掲載費用および国際会議での発表に際しての旅費等に研究費を使用することを計画している。
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Research Products
(3 results)