2013 Fiscal Year Annual Research Report
回転円すいの外表面を上昇する液膜流の生成メカニズムと微粒化
Project/Area Number |
23560185
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
足立 高弘 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60344769)
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Keywords | 微粒化 / 薄膜揚水 / 液膜流 / 回転円すい / 渦糸 / ミスト流 / 噴霧 |
Research Abstract |
最終年度の本研究では,液供給量と水面位置との関係を調べることと本現象に必要となる消費動力を計測することで,液膜流の微粒化特性を明らかにすることを試みた.液膜流を維持するには外部から流量を供給する必要があるが,円すいの回転数と供給流量の程度により水面水位が変化する.液はその水面を基準として円すいの底部に設置された円板まで揚水されるので,必要となる消費動力を明らかにするためには,微粒化に必要となる動力の他に揚水の動力についても考察する必要が生じる. 水面位置は超音波センサーを用いて非接触に計測した.動力に関しては,トルクセンサーを用いて計測を行った.円すいの回転速度は1000から4000[rpm]で,供給流量はQ=0.5から2.0 [l/min] で測定を行った.回転速度が上昇するに従って水面位置が減少する一方で,トルクの値が増加する結果が得られた.回転速度が増大し,水面位置が減少すると揚水距離が増大することになるので,揚水に必要な動力が余分に必要となるためトルクが増大する結果となった. 前年度までに,液膜流の膜厚測定を行い,回転速度,浸水位置と液膜厚との関係を調べ,液膜流の微粒化特性を明らかにすることに取り組んできた.液膜流の流量と浸水位置との関係が本実験より明らかとなったので,特定の位置での平均速度は,膜厚が既知であれば流量で割ることによって得ることが出来る.その平均流速から,圧力勾配等を算出することを試みてきた.その結果回転数が増加すると膜厚が薄くなり,回転速度の増加により液膜に作用する遠心力が大きくなり,円すいの稜線に沿った力が増大したことにより,液膜上昇の効果が増大するという液膜の生成メカニズムの一端の解明につながった. 研究期間全体を通じて,液膜生成のメカニズムの理解は深まったが,微粒化の特性については研究が進まなった.この部分については、今後の課題である.
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