2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子鎖コイル-ストレッチ遷移における非アファイン性に着目した抵抗低減機構の解明
Project/Area Number |
23560188
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀内 潔 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (10173626)
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Keywords | 抵抗低減 / 高分子添加溶液 / 界面活性剤 / 粘弾性流体 / Brownian dynamics / Elastic dumbbell model / 反変・共変ベクトル / エネルギーカスケード |
Research Abstract |
高分子鎖を連結粒子系として近似するBrownian dynamics simulation と乱流のDNSとの結合 (BDS-DNS) 法を用いて非アファイン粘弾性流体における抵抗低減機構の解明を行った.BDSでは,2個のbeadsをバネで結合したbeads-springにFENE補正を導入したdumbbellモデルを用い,beads間ベクトルRの時間発展を追跡した.DNSでは外力により定常状態を維持し,dumbbell の運動にslip velocityを付与して非affine性を導入したBDS-DNSを実現し,得られる高分子応力の寄与をDNSにフィードバックするtwo-way couplingを用いた.一様等方乱流を対象として,並列コードの開発と計算の実行を行った.投入するdumbbell の個数は計算機環境から10の9乗個とし,不足分をreplica法により補充した.この結果,Johnson-Segalman (J-S)構成方程式を用いたDNSと同様な抵抗低減が得られる事を示した.非アファイン性が最小の場合,dumbbell が反変ベクトルとして運動して渦管の伸長を抑制するに対し,最大の場合は共変ベクトルとして運動して渦層に張力を及ぼすため,大きな抵抗低減が得られる事を明らかにし,J-S方程式によるDNSとの整合性を示した.最大と最小のdumbbellを1対1に混合した場合は,両者各々単独の場合の中間の低減が得られた.これは,J-S方程式による結果と異なるが,これが,共変性dumbbell 1個と反変性dumbbell 2個が互いに直交するユニットを形成して運動する事に起因する事を示した.次に,dumbbell伸長の素過程を検証し,共変性のdumbbellは溶媒からのせん断によりその長さが最大となる方向に配向するため,反変性dumbbellよりも大きな伸長を受ける事を示した.
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