2013 Fiscal Year Annual Research Report
対向噴流のよどみ点領域に対する高シュミット数スカラ場の構造解析とモデル化
Project/Area Number |
23560191
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
角田 博之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (10207433)
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 拡散 / 可視化 / 計算物理 |
Research Abstract |
本研究では,一様流に対向する二次元乱流噴流による高シュミット数物質拡散場について,乱流場の瞬時構造変化に対するスカラ場の動的挙動を実験的に調べ,速度場の構造と濃度場の統計的特性との関係を明らかにし,得られた結果を基にラグランジュ手法によるモデル構築を行うことを目的とする.次の研究実績が得られた. 1. 二次元対向噴流における乱流場の構造と濃度場の統計的特性の実験的調査 開水路の流れに速度場の非均一性が残っていたことから,水路整流部の改修を行った結果,良好な均一流れを得ることができた.次いで,二次元対向噴流の実験に着手し,前年度の実験で明らかとなった問題点を考慮して新規ノズルを設計・製作し,速度・濃度場の同時測定実験に取り掛かった.これらの実験に平行し,前年度の実験で得られた二次元対向噴流の速度場データを用いて,瞬時よどみ点検出のために固有直交展開(POD)解析などの各種構造抽出手法を試みた.現在実験が最終段階にあり,今後,実験で得られた結果をデータ解析し,乱流場の瞬時よどみ点構造とスカラ場の動的挙動との関係を調べ,得られた成果を学会発表する予定である. 2. ラグランジュ手法によるスカラ乱流の確率論的モデル構築 フリップフロップノズルによる搖動噴流の数値解析を前年度に継続して行った.対向噴流には顕著な噴流搖動が存在することが分かっており,噴流搖動がスカラ物質拡散場に及ぼす影響を明らかにすることを研究目的とする.本年度の研究では,噴流搖動周波数の外部制御を試み,ノズル幾何形状から定まる固有周波数を超える周波数で噴流搖動を引き起こすことに成功し,その成果を国際会議で論文発表した.現在,計算で得られた速度場を利用して,分子拡散効果を導入したスカラ物質粒子のラグランジュ場の計算を行っており,噴流搖動が高シュミット数スカラ拡散に及ぼす影響を今後明らかにしていく予定である.
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