2013 Fiscal Year Annual Research Report
固定表面および自由表面を持つ回転流れ場における流動形態の解明と制御
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23560193
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 崇 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (40182927)
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Keywords | 旋回流 / 分岐現象 / 遷移ダイナミクス / 回転円板 / 回転円柱 / 自由表面 / 計算流体力学 / 実験流体力学 |
Research Abstract |
本研究では,その目的を,円筒容器内で回転する円板まわりの流れ,および,自由表面を持つ鉛直回転二重円柱間に発達する流れの,力学的特性を明らかにするとともに,適切な流れ状態を達成するための流れの制御方法を見いだすこととした. 最終年度,円筒容器内で回転する円板まわりの流れの実験においては,軸方向断面と子午線断面の流れの同時可視化を行うとともに,軸方向断面のスリット光の位置を,逐次変えることにより,三次元的に観測を進めた.この実験より,回転円板の半径方向隙間に発達するビーズ状の渦,および,多角形渦は,円筒容器内の端面で,半径方向内側から外側に向かう流れをもつ,変異渦により誘発されることを明らかにした.また,数値計算では,実験的に観測された変異渦により誘発される渦の特性を詳細に調べることができた.さらに,数値計算では,円柱容器との半径隙間が大きな場合,小さな場合の流れの挙動を調べ,各種の流れモードが現れることを示した.自由表面を持つ鉛直回転二重円柱間の流れでは,多チャンネルセンサによる表面波形測定と,アスペクト比の範囲を従来より大きな方向に拡張した数値計算を行った.測定により,自由表面に波動状のリングが現れることを新たに見つけるとともに,この波動状の流れは,流体の表面張力の影響を大きく受けることを示した.数値計算においては,奇数個の渦を持つ流れモードが,他のモードに変化する臨界レイノルズ数において,実験的結果と数値的結果の良い一致をみることができた. 研究期間を通して,流れ場の幾何形状と運転状態による,流れの発達過程のメカニズムの変化と,流れモードの分岐現象を明らかにした.この結果により,回転流の力学的構造の解明に寄与することができた.また,動力を抑えた流れや,攪拌の強い流れなど,必要とする状態に流れを制御するための,有用な情報を提供した.
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