2011 Fiscal Year Research-status Report
シンセティック・ジェットを用いた乱流混合促進の空間的制御の研究
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23560197
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高曽 徹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (40150528)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | シンセティック・ジェット / 乱流混合促進 / 渦構造 / 渦輪列 |
Research Abstract |
円形シンセティック・ジェットによる混合・かく乱の空間的特性とその流動機構・乱流構造を調べた.流れの物質混合や運動量混合を円形シンセティック・ジェットによって促進する装置の設計指針を確立することを最終的な目的として,円形シンセティック・ジェットの乱流特性,渦構造の展開,駆動条件にによる効果を調べた. そのため,圧電振動板,空洞,円形オリフィスから構成される円形シンセティック・ジェット・アクチュエータを製作し,信号合成発生装置で駆動波形を発生させ,ピエゾ・ドライブ増幅器で電力増幅して圧電振動板を駆動するシステムを構成した.また,高速変位計を用いた圧電振動板の振動振幅の計測システム,熱線流速計を用いた乱流速度計測システムを構成した.また計測した速度の波形処理システムを構築した. シンセティック・ジェットの平均速度・乱れ速度分布を熱線流速計で計測して,流れの空間的展開が連続自由噴流と異なることを明らかにした.また,速度の波形解析・スペクトル解析から,周期的な振動流から大混合能の遷移域を経て発達した乱流構造への展開を明らかにした. 流動の空間的な構造を調べるため速度のアンサンブル平均処理して,流れ場に渦輪列が形成されることを示し,その流下・崩壊の過程を明らかにした.これらを定量的に評価して,シンセティック・ジェットの渦崩壊や乱れの広帯域性を検討した. 平均流・乱流特性に及ぼす駆動条件の影響を次元解析によって検討し,流動構造に及ぼす無次元ストロークとレイノルズ数の影響を調べた.また,長ストロークの駆動条件において,他の駆動条件の場合とは異なる流動構造が生じることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた,実験システムの構築・計測システムの構築を完了した.また,シンセティック・ジェットの変動速度特性の計測・考察を行い,乱流特性・混合特性に及ぼす駆動条件の影響を明らかにした. ただ,長ストロークの駆動条件において,他の駆動条件の場合とは異なる流動構造が生じることがわかった.その構造を解明するため,アンサンブル平均処理処理による渦輪列の解明実験を予定よりも詳細に行った.そのため,シンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状の影響実験は限定的になり,その研究費が残った.
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおりに,シンセティック・ジェットによる混合の数値解析,物質混合の可視化実験による解明を進める. その際,初年度に得られた長ストロークの実験結果を参考に,数値解析の駆動条件の範囲を見直す予定である. また初年度に完了する予定であったシンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状の影響実験の残部を次年度の数値解析と並行して進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度,繰越額「700,272円」が発生した理由は,昨年度の研究結果から渦輪列の流動構造を詳細に実験する必要が判明したのでシンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状の影響実験の条件を減らしたためである. この繰越額を用いて,次年度にシンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状を変更した実験装置を製作し,構造・形状の影響実験を実施する. また当初の計画どおりに,シンセティック・ジェットによる混合の数値解析を進める.その実施のため,数値解析装置,ソフトウェアを購入する.
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Research Products
(5 results)