2012 Fiscal Year Research-status Report
シンセティック・ジェットを用いた乱流混合促進の空間的制御の研究
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23560197
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高曽 徹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (40150528)
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Keywords | シンセティック・ジェット / 噴流 / 乱流混合促進 / 渦構造 / 渦輪列 |
Research Abstract |
円形シンセティック・ジェットによる混合・かく乱の空間的特性とその流動機構・乱流構造を調べた.流れの物質混合や運動量混合を円形シンセティック・ジェットによって促進する装置の設計指針を確立することを最終的な目的として,円形シンセティック・ジェットの渦輪列の空間構造の非定常展開を調べた. 円形シンセティック・ジェットの渦輪列の瞬間的な構造を調べるため,大型スピーカ,空洞,円形オリフィスから構成される円形シンセティック・ジェット・アクチュエータを製作し,煙霧法によって可視化した.前年度のアンサンブル平均速度計測と力学的に相似な駆動条件で実験し,可視化撮影画像を解析して,渦輪列の形成と崩壊の空間的・時間的展開を明らかにした.渦輪が流下する際の渦構造変形と隣接渦輪との干渉について検討した. 円形シンセティック・ジェットの渦構造を数値計算によって調べた.数値計算に汎用数値解析ソフトウェアCFD2000を用い,非圧縮LES数値解析した.数値計算から放出された渦の空間的な分布や周方向渦度・流れ方向渦度などの分布を明らかにした.渦構造に及ぼすストロークに影響を明らかにした. 円形シンセティック・ジェットの流動に及ぼすシンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状の影響を実験によって調べた. 上記の数値計算と実験結果を総合して,オリフィスから放出された渦が下流で展開・崩壊して広帯域乱流になる過程を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた数値解析,駆動条件の影響実験を実施した.それに平行して,前年度に残したシンセティック・ジェット・アクチュエータの構造・形状の影響実験を実施した. 本年度に計画していた,数値解析システムの構築を完了し,非圧縮LES数値解析した.数値解析結果から放出された渦の空間的な分布や周方向渦度・流れ方向渦度などの分布を明らかにした. また,シンセティック・ジェットの変動速度特性の計測・考察を行い,乱流特性・混合特性に及ぼす駆動条件の影響を明らかにした.ただ,渦構造が駆動開始からの時間に依存する傾向が見られたので,その現象を解明するため予定より詳細に調べた.そのため,乱流特性に及ぼす駆動条件の影響の実験は限定的になった.残りの条件は,次年度に実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおりに,シンセティック・ジェットによる混合の数値解析,物質混合の可視化実験による解明を進める. その際,初年度に得られた長ストロークの実験結果や前年度に得られた数値解析結果を参考に駆動条件の範囲を決める予定である. また前年度に完了する予定であった乱流特性に及ぼす駆動条件の影響の実験の残部を物質混合の可視化実験と並行して進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シンセティック・ジェットによる物質混合の可視化実験を進める.そのため,可視化実験に必要な装置,ソフトウェアを購入する. 昨年度に,繰越額「598,755円」が発生した理由は,昨年度の研究結果から渦構造の駆動開始からの時間依存性を詳細に調べる必要が判明したので,シンセティック・ジェットの乱流特性に及ぼす駆動条件の影響実験の条件を減らしたためである.この繰越額を用いて,シンセティック・ジェットの乱流特性に及ぼす駆動条件の影響実験を実施する. また,次年度はこの研究課題の最終年度であるので,研究成果の投稿,印刷に研究費を使用する.
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Research Products
(3 results)