2013 Fiscal Year Annual Research Report
シンセティック・ジェットを用いた乱流混合促進の空間的制御の研究
Project/Area Number |
23560197
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高曽 徹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (40150528)
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Keywords | シンセティック・ジェット / 乱流噴流 / 渦輪 / 渦崩壊 / 乱流混合 / 空間的制御 / ストローク / レイノルズ数 |
Research Abstract |
シンセティック・ジェットはオリフィスなどから往復振動流を噴出・吸引させて生じさせる平均噴流で,空気源が不要な制御性の良い噴流として,はく離の能動制御に応用されてきた.本研究ではシンセティック・ジェットの別の特徴である強い乱れや乱流混合作用に着目し,速度計測・可視化実験・数値解析によって現象を解明し,その発生や発生位置を支配する機構を調べて,シンセティック・ジェットを用いた乱流混合促進の空間的制御を研究した. 円形オリフィスを用いた円形シンセティック・ジェットの平均速度場の流れ方向変化を測定して,シンセティック・ジェットの流れ場は連続噴流と異なり始めは拡がらず,ある位置より急拡大することを明らかにした.このことはオリフィスからある距離の位置で強い乱流混合が生じることを示している. この現象を瞬間速度波形解析,速度のアンサンブル平均計測,煙霧法による可視化,LESによる数値解析によって調べ,オリフィスから放出された渦輪が列を成して下流に移流し,隣りの渦輪と直接的な干渉なしに崩壊すること,崩壊に際して渦輪が変形し縦渦が生じることを明らかにした.変形渦輪という秩序渦構造によって運動量の強い乱流混合が生じる. また渦輪崩壊の位置は脈動流のストローク(吐出過程で噴出する距離)に依存し,レイノルズ数に依らないことを明らかにした. 渦輪崩壊の位置を変えて乱流混合発生位置を制御するため,シンセティック・ジェット装置のキャビティ(空洞)内にオリフィスと同軸に短円筒を設置して,その効果を調べた.円筒が脈動流には影響を生じさせない場合でも渦輪崩壊の位置は上流に移動した.またオリフィスの代わりに縮流ノズルを用いたシンセティク・ジェットの渦輪崩壊はノズル出口直後に生じた.このように,キャビティ内構造物やオリフィス形状を変えることによって乱流混合発生を空間的に制御する装置の実現性を示すことができた.
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Research Products
(8 results)