2012 Fiscal Year Research-status Report
ダイオード励起固体レーザを用いたドップラーグローバル流速計の開発
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23560198
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂口 大作 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70244035)
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Keywords | 流体計測 / レーザ計測 / 三次元流れ |
Research Abstract |
本研究では,光源としてダイオード励起固体レーザを用い,ドップラーグローバル流速計の計測原理に基づいた次世代三次元PIVシステムの開発を目的とする.ダイオード励起固体レーザは波長532.32nm,光出力150mW,線幅<1.0MHz以下という優れた狭振幅波長安定性を示す.レーザ光は円形噴流出口10mmに照射され,噴流中の飛行粒子によるミー散乱光がアバランシェフォトダイオードにより検出される.飛行粒子の光に対するドップラ周波数の変化量は数百MHz程度であり,直接の検出は困難である.そこで,ヨウ素の吸収特性を利用する.ヨウ素による光吸収された計測光および参照光の光出力は吸光度比として検出され,あらかじめ取得したヨウ素セルの吸収特性曲線を伝達関数とすることで飛行散乱粒子のドップラシフト量を算出することができる.本課題では,円形噴流を飛行する粒子の1次元絶対速度を検出することを試みた.円形噴流速度を20~50m/sの範囲で変化させてピトー管との同時計測を行ったところ,吸光度比と粒子の飛行速度には直線的な比例関係があることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画通り,円形噴流を用いて1次元流れ計測を行うことができた.レーザの波長安定性およびヨウ素フィルターの温度安定性から判断された計測性は±0.15m/sであるのに対して,円形噴流計測値は±3m/sと大きいことが分かった.散乱光強度は微弱であり,アバランシェフォトダイオードの過大な増幅に伴うノイズが原因と判断された.そこで,増幅回路を自作のものから専用品へ切り替えて計測を行ったところSN比は大きく改善できることが分かった.
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Strategy for Future Research Activity |
アバランシェフォトダイオードの増幅回路として専用品を2つ用い,参照光およびヨウ素セルを通した計測光の同時計測を行う.改良した計測システムを用いて円形噴流による1次元計測を行い計測精度の検証を行う.また,レーザをシート光とし光センサとしてCMOSカメラを導入することで1次元から2次元面計測システム発展させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アバランシェフォトダイオード出力を増幅するための専用増幅回路が必要である.また,レーザシート光形成のための光学系,参照光イメージおよびヨウ素セルを通した計測イメージを1つのCMOSカメラ導く光学レンズが必要である.画像イメージの後処理はFPGAを用いて行い,プログラム開発環境およびFPGA開発ボードが必要である.
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