2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560201
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 敬三 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (20072134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 聡 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50315751)
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Keywords | 流泰工学 / 円管内流れ / 圧力損失 / バイオ繊維懸濁液 / 抵抗減少 |
Research Abstract |
水に各種抵抗低減剤を添加・混入することによって管路の損失を低減させる試みは,その輸送動力に対する省エネルギーの観点から,さらにその抵抗減少効果の現象が乱流域における乱れの緩和と密接な関係があることとも関連して,近年工業的及び工学的に注目されている.一方,繊維懸濁液の円管内圧力損失が水のみの値に比較して低減することは従来から知られており,その流動の特性に関する研究がなされて来た.しかしながら,天然由来の繊維懸濁液を対象とした研究は非常に少ないようである.著者らはそれらの抵抗減少効果の応用がナイロンやビニロンなどの人工繊維懸濁液と比較して環境への影響が少ないと考え,バイオポリマーや絹糸パウダーを添加した水溶液についてその流動の特性に注目し,抵抗減少効果の実験的な検証を行ってきた. 昨年度において,繊維のアスペクト比,(l/d)が13~11,31,52である絹糸,綿糸及び麻糸の濃度,Cwが250~2500ppm範囲の懸濁液に対する円管内圧力損失を測定して,最大15%の抵抗減少効果を得た.抵抗減少率,DRはヤング率,Eが供試繊維の中で最も大きな麻糸の懸濁液で最大値を示すことが明らかにされた. 本年度においては,これらの実験結果に対して各パラメーターを用いて整理し,次元解析的な考察を行った.その結果,抵抗減少率が溶液濃度,繊維のアスペクト比,繊維のヤング率と流体の動圧の比である無次元パラメーターに依存することに注目して抵抗減少率の実験式を得た.得られた実験式は絹糸,綿糸及び麻糸のアスペクト比が11~52、濃度が250~2500ppmの懸濁液の抵抗減少率に関して±30%の範囲で一致することが分かった.本研究結果は日本機械学会2013年度年次大会及びICFM2013の国際会議において発表された.
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Research Products
(4 results)