変動壁面せん断応力の電気化学的計測と成層流体中のマルチスケール渦構造の解明

2013 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 23560213
• Research Institution: Hiroshima Institute of Technology
• Principal Investigator: 福島 千晴 広島工業大学, 工学部, 教授 (30262752)
• Keywords: 流体工学 / 環境対応 / 密度成層 / せん断応力 / 渦

Research Abstract

本研究は，成層流体中で回転する円筒まわりに現れるマルチスケール渦構造の時間的・空間的変化と円筒表面上に生じる擬周期的壁面せん断応力との対応を調査することを目的としている．
本年度は，昨年度の課題を踏まえ，(1)測定精度向上による非定常はく離を伴う流れ場での多点同時非定常壁面せん断応力の計測，(2)マルチスケール渦構造理解のための同時観察（壁面せん断応力と速度・密度場との同時計測）を目標として取り組んだ．
壁面せん断応力の測定に関して，時間平均壁面せん断応力については，単独円柱周りの流れ，あるいは回転二重円筒内の流れ等において，リニアスイープボルタンメトリー法を用いることで，測定値の妥当性をほぼ確認することが出来た．しかしながら，変動壁面せん断応力については，クロノアンペロメトリー法を用いて測定を行ったが，再現性を有する信頼のおけるデータを取得することが出来なかった．特に，測定値に含まれる比較的高周波のノイズについて，その原因は不明のままである．したがって，目標としていた多点同時非定常計測を達成することが出来なかった．
一方，壁面せん断応力と速度・密度場との同時計測については，流れの可視化手法と計測手法の組合せを検討し，可視化のための最適条件の抽出等を行ったが，上記理由により同時計測には至らなかった．そのため，本年度は研究成果の公表を差し控えた．なお，今後も継続して課題解決に取組んでいく所存である．