2011 Fiscal Year Research-status Report
多気泡系におけるキャビテーション初生に関する理論シミュレーション研究
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23560215
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井田 真人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (60391356)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 気泡 / キャビテーション / マイクロバブル / 負圧 / 流体力学 |
Research Abstract |
液体中で相互作用する複数気泡の挙動を表すモデル方程式"coupled Keller-Miksis 方程式"を用い、負の圧力下で膨張・収縮するキャビテーション気泡のダイナミクスについて、以下に示す解析的検討を行った:(1) 振幅が1気圧を越える大振幅圧力場に置かれた2つの気泡について数値解析し、稀なケースではあるが、気泡間の相互作用によって気泡の最大半径が増大する場合を見つけた。これは過去の数値シミュレーションで示されている結果とは正反対の効果であり、過去に実際的なキャビテーション場の幾つかで見つけられている類似の現象を説明しうるものである。なお、この解析ではJ-PARC中性子源内部で発生する圧力変動を模した圧力場を仮定した。(2) 議論を多数の気泡が相互作用する、より現実的な系に拡張することを目的に、多気泡系の方程式を再整理した。先ず、多気泡系の coupled Keller-Miksis 方程式を見直し、表記の簡素化や計算量の低減を図った。次いで、コーディングを簡潔にするためのプログラミング技法についての議論を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・気泡ダイナミクスの新しいパターンを見つけるという、予期せぬ進展を得た。・しかし、震災による所属研究所の損壊や、年度中頃からの体調不良と休養があり、計画していた検討の半分以上を実施することができなかった。特に、気泡挙動の位相空間表記法については全く手をつけることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・数値シミュレーションと理論解析を継続し、気泡間相互作用がキャビテーションの開始過程に与える効果についての総合的な理解を目指す。・カオス解析等の先例を参考に、適切な位相空間表記法を模索する。・また、所属グループが持つ実験結果や既知の現象などを参考に、解析結果が持つ精度や実現象の再現性などを検証していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シミュレーションや論文作成に必要なソフトウェアや資料、シミュレーション結果の保存に必要な機器などの購入、国内外で行われる学会・研究会・研究打合せに出席するための旅費や参加料、論文の投稿・出版に必要となる経費などとして利用する。
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