2012 Fiscal Year Research-status Report
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23560217
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森吉 泰生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40230172)
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Keywords | 熱工学 / エネルギー効率化 |
Research Abstract |
本年度は,パルスを打つタイミングおよびパルス間隔を変えることで,生成されるラジカルの作用を変えられるという仮定の検証を行った.この仮定は,これまでにパルス数や長さを限られた条件であるが変えて実験を行った際に燃焼特性が変化したという事実から立てたものである.従来の研究で,Oラジカルの生成が着火に多大な影響を与えているという計算結果がある.青炎や熱炎など発熱を伴う化学反応はOHラジカルが支配的な役割を果たし,OラジカルはOHラジカルを生成させるための前段階に必要とされるもので,アルデヒドのような役割を果たすと考えられる.アルデヒドは低温酸化が始まるために必要であるが,濃度が高くなりすぎると,逆に高温酸化反応までの時間を長引かせる.他方,高温酸化で濃度を高くすると,高温酸化を促進するという興味深い物質である.また低温プラズマでNOの生成が促進されるという結果は,基礎研究で得られている.このような結果からも低温プラズマを放電する雰囲気のガス組成,圧力や温度によって生成されるラジカルの作用が異なることは予想され,ラジカルをどのようなタイミングで生成するのが着火の制御に役立つのかを明らかにすることは極めて重要である.実験の結果,ある最適値が存在することが分かった.その原因については数値解析により検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に実験上のトラブルもなく,順調に実験を進められた.
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Strategy for Future Research Activity |
パルス電圧の時間変化(dV/dt)を制御することでプラズマ形態を変え,分子に与えるエネルギー量と形態を変えられるという仮定の検証を行う.これまでの研究で,dV/dtが大きくなるとストリーマ放電からアーク放電へ移行しづらくなることが報告されている.しかしこのような実験は電源回路の調整が難しく,定量的な評価や理由は十分に明らかにされていない.本研究ではIES回路でこの制御が実用レベルで可能であり,パラメトリックな実験と数値解析から明らかにできると考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定通り,回路の改良,学会参加旅費,ソフトウエアライセンス費用に充てる.
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