2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560217
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森吉 泰生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40230172)
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Keywords | 熱工学 / 内燃機関 / 希薄希釈燃焼 / 点火確率 |
Research Abstract |
低温プラズマ生成のための高電圧パルスの長さや間隔を変えることで,希釈されたエンジン内部での点火確率が変化し,最適な値が存在することが実験から明らかになった.一方,定容容器内での実験では,パルスを長くしたり間隔を短くしたり,投入エネルギーを増やすほうが点火確率は向上した.数値解析でも定容容器内実験と同じ傾向が予測された.そこで,エンジン内部で異なる結果について,電気回路側から考察を行った.この結果,投入エネルギーが有効に使われるようにインピーダンスマッチングを行うが,エンジンの場合は,圧力や温度が急激に変化するため,最適状態を常に設定することはできない.そのため,パルスの長さや間隔が変わるとエネルギーの有効利用効率が変化し,点火確率が変化することが示唆された.この結果と容器内での結果を合わせて考察すると,1発当たりのエネルギー供給量がある閾値以上にあり,かつ回数が増えるほど着火確率は向上することが分かった.また,燃料に対する着火性の違いもみられた.これは低温プラズマで生成されるラジカルが,燃料に対して作用する効果が異なるためであると示唆された.今後,点火環境が高圧化,希釈/希薄化するにつれ,高エネルギーの供給が必要となる.その際,従来点火方式では電極の摩耗が重大な問題となるが,低温プラズマ方式ではその問題はほとんど起きないため,耐久性の面からも有利な点火方式であるといえる.実用化に際しては,コスト低減,電源の小型化が課題である.
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