2011 Fiscal Year Research-status Report
低カロリーガスによるエクセルギー保持燃焼:国際安全規格準拠の超小型燃焼器の開発
Project/Area Number |
23560219
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
門脇 敏 長岡技術科学大学, その他の研究科, 教授 (20185888)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 熱工学 / 燃焼診断 / エクセルギー / 安全確認型 / リスクアセスメント |
Research Abstract |
社会全体として合理的なエネルギー利用体系を築く観点から,燃焼によるエネルギー変換時のエクセルギー損失を抑制する術が注目されている.未燃ガス温度を高くして混合気を燃焼させる手法は,エクセルギー損失の低減に直結する.そして,燃焼ガスと未燃ガスの温度差を小さくすることにより,燃焼プロセスにおけるエクセルギーを概ね保持することが可能となる.低炭素社会を構築する上で,未利用バイオマスの有効利用が重要である.低カロリーであるバイオメタンガスの利用では,上述した手法,つまりエクセルギー保持燃焼が有効である.この手法を採用することにより,低カロリーガスを容易に燃焼させることができ,これまで未利用であったバイオメタンガスのエネルギー源としての有効利用が可能となる. 新たな燃焼手法を開発する上で,最も配慮すべき点は安全の確保である.これまでに,安全を確保するための技術が数多く開発されている.しかし,従来の技術の多くは危険検出型であるので,安全は必ずしも確保されていないのが現状である.充分安全なシステムを構築するためには,安全確認型の考えを取り入れる必要がある.これは,安全情報によるインターロックシステムであり,安全であることを確認して安全情報を受け取るときのみ,実際の行動命令を発して作業を続行するものである.安全確保のため,安全確認型を採用することが必須である. 本研究では,バイオメタンガスの主成分であるメタンを燃料として取り扱い,燃焼特性の解明を試みた.燃焼装置の設計・製作は,安全確認型の考えをベースとしている国際安全規格に準拠して行い,リスクアセスメント遂行の後,全てのリスクが許容可能となるようにリスク低減方策を施した.燃焼実験では,発光強度の時系列,RMS,パワースペクトル,アトラクター,及び可燃範囲を求めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,バイオメタンガスの主成分であるメタンを燃料として取り扱い,燃焼特性の解明を試みた.燃焼装置の設計・製作は,安全確認型の考えをベースとしている国際安全規格に準拠して行い,リスクアセスメント遂行の後,全てのリスクが許容可能となるようにリスク低減方策を施した.燃焼実験では,発光強度の時系列,RMS,パワースペクトル,アトラクター,及び可燃範囲を求めた.得られた結果は燃焼特性の基礎となるものであることから,本研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は,燃焼実験を遂行し,発光強度の時系列,RMS,パワースペクトル,アトラクター,及び可燃範囲を求めた.これらの知見を基にして,次年度は,火炎の動的特性を解析する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究がおおむね順調に進展していることから,次年度の研究費は申請当初の通り使用する予定である.
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