2012 Fiscal Year Research-status Report
遷移過程にある平板境界層の摩擦および伝熱機構の解明
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23560224
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯田 雄章 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70273307)
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Keywords | 乱流 / 境界層 / 剛体回転 / 縦渦 |
Research Abstract |
本研究では, 1)境界層において遷移過程を模擬できるスペクトル法による直接数値シミュレーションのコードを開発する, 2)剛体回転の影響下にある低レイノルズ数のチャネル乱流、境界層乱流の乱流構造の詳細を研究するとともに境界層およびチャネル乱流の遷移過程にある乱流構造との類似性を明らかにする, ことを目的としている。 昨年度は,1)に関連して,スペクトル法による遷移のシミュレーションコードを開発した。さらにコードを,様々な初期条件,体積力を加えるなどしてチェックを行った。その結果,不安定,安定なコリオリ力のもとで,遷移過程のシュミレーションを行える可能性が分かった。また2)について,回転チャネル乱流での乱流構造に対するレイノルズ数効果,回転数の効果の詳細を調べた。 本年度は,1)に関連して解像度,計算領域を変化させて計算のチェックを行った。2)については,回転チャネル乱流のシミュレーションを行い縦渦を抽出し剛体回転の効果について明らかにした。この結果,壁面近傍の縦渦は,一様せん断の縦渦と剛体回転について同様の影響を受けることを明らかにした。また,壁面乱流に特有の効果として,剛体回転の向きにより,壁へと向かう高速の運動と壁から離れる低速の運動との間に相対的な違いが生じることも示した。さらに低レイノルズ数チャネル乱流のシミュレーションでは遷移過程と再層流化過程にある状態の縦渦をそれぞれ抽出しその相違を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)境界層乱流についてはシミュレーションコードの作成と解像度,計算領域のチェックを行った。 2)遷移過程にあるチャネル乱流の組織構造の解析を行い遷移前の状態と遷移後の状態で縦渦の違いを明確にしその結果を機械学会の学術論文集に投稿中である。 3)壁面近傍の縦渦を抽出し回転の影響を調べた結果一様せん断乱流の縦渦と同様の影響を受けることを明らかにした。研究成果については当該年度のヨーロッパ乱流会議にて発表の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)不安定、安定なコリオリ力のもとでの境界層の乱流構造を調べ、剛体回転が縦渦などの組織構造に及ぼす影響を明らかにする。 2)境界層の遷移過程での乱流構造の変化を明らかにし、剛体回転の効果との類似性を明らかにする。 3)回転チャネル乱流で、剛体回転が縦渦などの組織構造に及ぼす影響をより詳細に調べる。 4)低レイノルズ数で遷移過程にあるチャネル乱流の乱流構造を調べ、剛体回転の効果との類似性について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に,国際会議での発表と,数値シミュレーションのためのワークステーションの購入に繰越し金と併せて使用する。高解像度の計算によるチェックを行う。
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Research Products
(6 results)