2013 Fiscal Year Annual Research Report
乱流熱伝達場における逆勾配拡散現象の発生限界とその発生メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
23560225
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 博文 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (30467352)
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Keywords | 逆勾配拡散現象 / 乱流熱伝達 / 成層乱流 / 剥離・再付着乱流 / 直接数値シミュレーション / 壁面熱的境界条件 / 乱流温度混合 |
Research Abstract |
本研究は,逆勾配拡散現象が特に顕著に出現すると予測される温度安定成層や剥離・再付着を伴う乱流中において,その発生条件とメカニズムを,直接数値シミュレーション(Direct Numerical Simulation, DNS)を用いた乱流素過程を探索することにより,逆勾配拡散現象を調査,解明することにある.また,DNSから得られた結果を基に,乱流モデルを伴う大規模渦シミュレーション(Large Eddy Simulation, LES)やレイノルズ平均モデル(Reynolds Averaged Navier-Stokes Simulation, RANS)の予測性能評価も行い,次世代乱流熱伝達シミュレーション技術の確立と発展に向けてのモデリング技術の向上を図ることも行った. 平成25年度は,前年度までに逆勾配拡散現象の発生が確認された安定温度成層乱流境界層において,流れのパラメーターを変化させることによる,逆勾配拡散現象の発生限界と発生パラメーターの特定を行った.また,剥離・再付着を引起こし,成層効果と壁面形状効果の2つの効果を重畳させられる2次元丘を通過する温度成層乱流境界層で,逆勾配拡散現象を含む現象解明を進めた. 次に壁面熱的境界条件が変化する乱流熱伝達場について,DNSでさらに多くの壁面熱的境界条件を設定することによって,境界条件が変化する周りの熱伝達現象の一般的な解釈について検討を行った.また,これらの熱伝達場で理論検証されている重ね合わせの線形性理論に対し,数値解でも立証できることを平成24年度に続き示し,LESやRANSの性能評価も行った. 乱流モデルの予測性能についての検証では,T字型流路における温度混合現象のDNS結果を用いて,LESで用いられる乱流モデルについて検証を行い,LESでもこの複雑な乱流混合場をほぼ満足する予測値を与える事が分かった.
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