2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己湿潤水溶液の沸騰伝熱特性の研究-限界熱流束向上と冷却デバイスへの応用-
Project/Area Number |
23560245
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
庄司 正弘 神奈川大学, 工学部, 教授 (00011130)
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Keywords | 沸騰 / 限界熱流束 / 自己湿潤液体 |
Research Abstract |
自己湿潤液体の代表的沸騰媒体であるブタノール水溶液の沸騰伝熱特性について、水平加熱細線を用いたプール飽和沸騰、水平加熱面(直径30mm)の飽和並びにサブクール実験、水平加熱面(直径30mm)を用いた急冷(クエンチ)実験の3種の実験を行い、沸騰伝熱特性を調べたが、実験では特に、限界熱流束(CHF)の値に注目し、純水と比べCHFが増進するのかどうか、またブタノール水溶液の濃度がCHFに如何に影響するのかを調べた。その結果、細線系では純粋に比べ飽和の場合、CHFは濃度と共に大きくなり、純粋の2~3倍に向上すること、しかし平板の場合は純粋と大差ないこと、非定常クエンチ実験では、従来見出されていた溶質の選択的蒸発に伴う2つのクエンチ点の存在や、2つの極大熱流束の存在は今回の実験では確認できなかったことなどが判明した。総合結論として、ブタノール水溶液は伝熱促進の上で有効な沸騰媒体となりうるものの、平面系ではその特性が顕著でないとの結果となった。また、一部の結果は、従前に発表したものとは異なったものとなったが、これには沸騰実験中の溶液濃度の均一性の保持や、加熱面ヘの液体供給の仕方の違いなどが複雑に関係していると思われ、今後更なる検証実験が必要である。
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