2013 Fiscal Year Annual Research Report
介護者と披介護者にやさしい介護用機械アームの生体動特性を利用した開発
Project/Area Number |
23560250
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山口 誉夫 群馬大学, 理工学研究科, 教授 (90323328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 雄作 群馬大学, 理工学研究科, 教授 (80357904)
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Keywords | 機械力学・制御 / 衝撃吸収 / 緩衝材 / 安全 / 介護用機械 / 有限要素法 / 粘弾性 / 減衰 |
Research Abstract |
介護者と被介護者にやさしい介護用機械のアームの材料,動特性を明らかにするための検討を行った.平成23年度および24年度は,生体あるいは介護機械用高分子材料の非線形領域まで考えた衝撃特性を表現するために,非線形減衰,非線形復元力を考慮した複素ばねを提案して,有限要素法に組み込み,計算プログラムを開発できた.開発したプログラムで,生体の指を二つの中空断面を持つ粘弾性緩衝材で挟み,アルミ製ブロックを衝突させ応答を計算し動的な復元力特性を求めた.この計算に対応する実験結果を,研究分担者の藤井が提案する浮上質量法で計測し得た.変形の進行にともなう動的な復元力の変化,指の有無による復元力の変化は,実験と計算で一致できた.さらに座屈と非線形ヒステリシスを有する異なる種類の粘弾性構造について,衝撃応答の実験と数値計算を実施し,モデル化,計算方法,計算コードの検証ができた. 平成25年度は,介護用機械を模擬したアームの衝突吸収性能の評価装置を作成した.その実験解析と数値解析から高い衝撃吸収性能を有するアームを新たに考案した.考案したアームは中空円形断面を有する心材(円筒のアーム,材質は竹)を持ち,心材の表面に発泡させた柔軟な高分子材料で作られた中空断面の緩衝材が装着されている.小変形の場合は緩衝材のヒステリシス減衰で衝突エネルギを熱エネルギに変換し衝撃を緩和する.衝撃荷重がある程度大きい条件では,緩衝材中空部が座屈して潰れエネルギを吸収する.さらに大荷重の場合は,緩衝材中空部が潰れ切り衝撃が増えてしまうので,心材で衝撃を吸収する.具体的には心材の円形断面を分割し,円筒のアームを長手方向に割った構造とする.長手方向に割った心材は円弧断面を持つ複数の部品アームから形成される.部品アームを適度にゆるく束ねる.大荷重の場合に部品アーム間の相対運動による接触摩擦を発生させ衝撃を吸収する.
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